根も葉もないうわさ話
私が結婚して間もないころ、友人から私に関するあるうわさ話を耳にしました。
そのうわさ話の内容は「私が不妊である」といった事実無根のもの。
当時私はまだ20代で、結婚して数年は2人の時間が欲しいと夫と話し合っていました。いざ子どもが欲しいと思った時のことも考え、結婚前に生殖機能検査を受け、異常がないのは確認済み。異常がないから確実に子どもができる、というわけではありませんが、今は妊娠に積極的な行動は取っていない、という状況でした。
子どもを産むことがすべてのA子
うわさ話に気分を害した私は、うわさの出所を探りました。
すると、うわさの出所は2人の子どもを持つA子だと判明。
このA子ですが、以前から子どもを産んでいない女性へ差別的な扱いをすることで有名でした。
ことあるごとに「私は母親だから~」「産んでない人にはわからない」「子ども産まなきゃ~」と子どもがいることでマウントを取るため、出産していない女性からは距離を置かれていました。
私も結婚前に、友人に誘われて行った同級生たちのバーベキュー会で、A子に会う機会がありました。
そのとき、A子お手製の唐揚げをいただき、「早起きして準備したの? すごいね、ありがとう!」と伝えました。
すると「子ども産んでたらこのくらい当たり前だから。子どもいないんだっけ?」といや~な感じだったのをよく覚えています。この時、私は子どもがいないことをA子に話してしまったのですが、A子は勝手に「子どもを産めない残念女」認定したようです。あろうことか、周りの同級生に「あの子、不妊なんだって」とうわさをしていたんだとか。
まさか結婚後に、事実無根のうわさ話を聞かされるとは思いもしませんでした。仲の良い友人には、妊活のタイミングを考えていることを話して訂正しましたが、A子に悪いうわさ話のターゲットにされたのは、いい気分ではありませんでした。
子どもマウントA子の実態
人の噂も七十五日と言いますし、あえて距離を取っているA子と話し合う必要性もないと判断して、私はこの出来事を忘れることにしました。
それから半年ほど経ったころ、同窓会に行く機会が訪れました。
その同窓会で複数の友人から、「A子の旦那はモラハラがひどいらしい」「A子が姑と揉めて離婚の危機らしい」「子育てに悩んでいるらしい」など、A子が苦境に立たされていることを耳にしました。
A子が子どもの有無にこだわるのには何か理由があるのかもしれませんが、子どものいない人を見下すのはいけませんよね。子どもを産む選択も、子どもを産まない選択も、等しく尊重されるべきではないでしょうか。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Emi.A