お葬式への幼い子供の参列、特に火葬場に連れて行くかどうかなどは、さまざまな理由で迷いますよね。これは、ちょうど娘が2歳の時、私の祖父のお葬式後に体験した実話です。

高熱が続いたある夜の恐怖

熱が下がらない何日目かの夜、冷却枕にぐったりと頭をのせた娘を寝かしつけるため、常夜灯をつけて私も隣に横になりました。

「たくさん眠れば、力が湧いてきてお熱も下がるよ。元気になったら、また公園に行っていっぱい遊ぼうね」

精一杯励ますため、私は娘にそんな言葉をかけたと思います。

その時です。娘が高熱でぼんやりしながらこう言ったのを、今でも忘れません。

「ママ、でもね。知らないおじさんが大きい声でお喋りするから眠れないの」
唐突すぎて私が面食らっていると、娘は続けました。

「これはナツ(仮名)の足、これはママの足、あれはおじさんの足だよ」

そう言って自分と私の足を指差してから、娘は部屋の隅を指差したのでした。

まとめ

葬儀場は、過去何人もの死者を弔い、送り出した場所でもあります。

私自身、詳しいことはわかりませんが、多くの死者の無念も残っている場所なのかもしれません。

私は祖父のことが好きでしたが、その葬儀に連れて行ったために、大切な娘を危険に晒してしまった可能性を思うと心が痛みました。

友人の助言で、生まれた時からよくお参りに行っている神社のお守りを枕元に置くと、しばらくして娘の熱は引いていきました。

全ての因果関係を確かめる術もありませんが、これが私が体験した恐ろしい出来事の一部始終です。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Mie.W