なんでも言ってくださいね~
友人は占いが趣味のA子から、占い鑑定させてほしいと言われていました。なぜかいろんな人に練習台になるのを断られているようでしたが、友人は占いが好きなので喜んで引き受けることにしたのです。
さて占い鑑定の日、A子が友人宅にやってきました。リビングで友人と向かい合わせに座りました。A子はちょっと怪しげな紫のベルベットの生地を敷き、タロットカードをぐるぐると混ぜ「さて、どんなお悩みですか? 私が占いますよ。なんでも言ってくださいね~」と言いました。
姑との未来
友人は「あのー、姑と仲良くやっていくにはどうしたらいいですか?」と聞きました。するとA子は、カードを何枚かめくってこう言いました。
A子「あー、過去のあなたは~、すごく大変だったみたいね」
友人「この間あなたに話したよね」
A子「今はだいぶ楽になっているみたいね」
友人「この間あなたにそう伝えたから」
A子「これから先はもっとよくなるよ」
友人「よくなる!?」
A子「これから先は、姑と仲良くなっていきます」
友人「どういうこと?」
A子「だからもっとよくなるっていってるじゃん」
友人「姑なんて何言っても変わらんよって、言ってたじゃん」
A子「なによ! 当たっているんだからいいじゃない!!」
友人「これはもはや占いではなく、事実確認では?」
激怒するA子
A子「もういい! もう占ってやらないんだから!! あんた占ってもぜんぜん面白くない!」といって、カードも怪しいベルベットも片づけて激怒して去っていきました。これが練習台になってくれる人がいない原因なんだなとわかりました。仲がいいゆえに、家庭事情や悩み事を知っていますもんね。占いと言っていいのかどうか……。
占ってくれるのはありがたいのですが、今回は楽しくもなく、めんどくさいだけだったので、もう少し上達してから来てほしいなと思いました。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:鈴木まさ美