昭和の時代に、普及していたダイヤル式の黒電話。テレビやドラマで見たり、小さい頃に家にあったなんて人もいるのではないでしょうか。現在でも、契約次第ではまだ使えるものもあるのだとか。今回は、私が友人に聞いたちょっと不思議な黒電話にまつわるエピソードを紹介します。

何やら音が

最初はザーザーという音がしていましたが、しばらく受話器に耳を付けていると「もしもし、Cちゃんかい。元気にしていたか。今度結婚するんだってね。おめでとう」と中学生の頃に病気で死んだはずのお父さんの声が聞こえたのです。

Cさんはお父さんっ子で、いつもお父さんにべったりでした。毎日、仏壇にお線香をあげてはいますが、また会いたいな、声が聞きたいなと思っていました。

お父さんからの電話だ! と嬉しくなり、Cさんは色々なことを話しました。「うん。うん。」と返事をしてくれるお父さんの声がとても温かかったそうです。

朝になると

そのあとの記憶は曖昧で気がついたらベッドで朝を迎えていました。急いで黒電話を確認しましたが、特に何もなく、夢だったのか現実だったのかもはっきり分からなかったそうです。

ただ、Cさんは次の日から結婚に備えて実家を出て同棲する予定でした。

こんな不思議なこともあるんですね。結婚をするCさんへの祝福をお父さんもしたかったのかもしれません。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:夏野ゆきか