記憶から消してしまいたい過去の出来事ってありますよね。今回は、電車内で危うく自分がひったくり犯になるところだった、筆者の忘れてしまいたい実体験のハプニングをご紹介します。

一本釣り?

「なんだろう?」と後ろを振り返ったとき、見知らぬバッグが浮いている不思議な光景を目にしました。

どういうことか一瞬意味がわかりませんでした。
そして状況を理解した瞬間、恥ずかしさでいっぱいになりました。

実は、私のバッグからはみ出していた折りたたみ傘の持ち手が、奇跡的にお兄さんのバッグに引っかかり、釣り上げたような状態になってしまっていたのです。

事故とはいえ、人のバッグをひったくったようになってしまいました。

私のほうが迷惑客だった

男性はびっくりして固まっていました。

まわりの乗客からは、少し間を置いてクスクスと笑い声が聞こえてきます。

私は恥ずかしくて申し訳なくて、どうにかなかったことにできないかと、現実逃避したい気持ちでいっぱいでした。

ですがさすがに無理なので、
「本当にすみません! 盗むつもりでは……。」と全力で謝ってバッグをお返ししました。

お兄さんは「こんなことあるんですね、いや全然大丈夫ですよ。」と笑って許してくれました。

さらに
「むしろ僕が邪魔でしたね、本に夢中になっていて気づかずすみません。」と言ってくれました。

どうやら勉強に集中していて、まわりの様子に気づいていなかったみたいです。

そんなこととは知らず、きっとワザと避けない人だと思い込んで「邪魔だな」なんて思っていたことが申し訳なくなりました。

なんだったら、危うく人のバッグを盗みそうになった私のほうが迷惑な乗客だったと思います。

まとめ

ワザとでなくても人に迷惑をかけてしまうこともある、ということを恥ずかしさとともに身をもって知りました。
それからは、「ドア付近にいる人も気づいていないだけかもしれない」とちょっと人に優しく考えられるようになれました。

あと、折りたたみ傘は必ず持ち手がはみ出さないように気をつけるようになりました。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:橘るい