人を怖がらせることにどんな意味があるのかわかりませんが、『人を怖がらせてなんぼ』と勘違いしている人は何かと滑稽なものです。これは筆者の体験談です。トラック運転手として働いていたときに、首をかしげるほど行動が理解できなかった先輩がいて……?

降りてきた相手の運転手は、『ザ・運転手』ともいうべき、ちょっと強面のお兄さん。図体もデカくて、H先輩を見下ろすくらいの背丈がありました。これを見たH先輩は急に大人しくなり、ペコペコと謝る始末。その情けない姿は嫌悪感を覚えるほど卑屈なものでした。

H先輩の本性

その後、会社へ帰るとH先輩は今日の出来事を休憩室で偉そうに話し始めました。相手のトラックが曲がって停めていたことを大げさに話し、

「いちゃもんつけられて困ったよ。まあ、あんなのは大したことないけどね。」

とまるで違うことを言い始めたのです。終始H先輩の様子を見ていた私は、あまりの態度にちょっと腹が立ち、

「その割にはぺこぺこ謝ってましたよね?」

と言ってしまったのです。それを聞いた運転手仲間は一瞬「え?」という顔をしました。しかし、人を怖がらせたい振る舞いをしていた人が、本当に怖そうな人にはぺこぺこすることを知って、鼻で笑う人も出てきたのです。

まとめ

H先輩がなぜいつも人を怖がらせるようなイキった態度をとっていたのか、理由はわかりません。でもその日を境に、別人のように大人しくなったH先輩……なんだか大人になり切れていない不良少年のようで、大人げないなと感じてしまいました。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K