体調が悪い時くらいは、家事や育児を旦那さんに代わってもらいたいですよね。しかし世の中にはその真逆の行動をとる男性も少なくはありません。今回は体調不良を旦那さんに打ち明けたことがきっかけで大変なことになった経験のある、私の知人Yさんから話を聞きました。

突然の発熱

Yさんは当時、結婚8年目。子どもを保育園に預け、フルタイムで働きながら家事をこなす多忙な毎日を送っていました。

「なんか熱っぽいな……」
ある日の会社帰りに子どもを保育園に迎えに行き、帰宅した時でした。

Yさんは朝から体がだるく、本調子ではないと感じていたのが、夕方になって急に熱が上がったようでした。
「ちょっと休みたい」
少しソファに横になりたいと思ったけれど、夕食の準備もしなければならないと台所に立ったYさん。しかし熱がどんどん上がってきているのが、体中の関節の痛みでわかりました。

「ただいまー!」
元気な声が響き、旦那さんが帰って来たのがわかりました。

助かった、何か作るか買ってきてもらうかして、なんとか子どもにだけでもご飯を食べさせてもらおうと思ったYさんは、ふらふらとする身体で着替えている最中の旦那さんに声をかけました。

まさかの返事

「ごめん、熱が出てきちゃって。ご飯頼んでもいい?」
Yさんがそう言うと、旦那さんは急に額に手を当てて言いました。
「実は俺も朝からだるくて、多分俺の方が熱が高いんじゃないかな。ああ、もう体がダルすぎて無理」
旦那さんはさっきまで元気な声を出していたのに、わざとらしくよろよろとした足取りでソファに腰を下ろしました。

「そういうわけだから、メシ作るとか無理。早く作ってよー」
「……わかった」
Yさんは熱でふらふらする身体でなんとか簡単なものを作ってテーブルに並べました。
「なんだよ、これだけ? 手抜きだなー。あ、ビール取ってきて」
旦那さんはさっき体調が悪そうだったのが嘘みたいに、モリモリと夕食を口に運び、ビールをあおります。

「もう無理、寝るから後お願いしていい?」
「えー、俺具合悪いんだよ? 片付けまでやってから寝てよ」
その言葉に、頭のどこかでプチっという音が聞こえたYさん。