相手を見て自分の態度を変える……人間関係において、一番してはいけないことではないでしょうか。自分のしたことが原因で、思わぬしっぺ返しをくらうことも少なくありません。これは筆者の職場にいた、あざとい後輩がしでかした因果応報なエピソードです。

あざとい後輩

私の職場の後輩に、A子というあざとさ全開の女性がいました。私たちの部署は営業部。男性社員がメインで外回りなどの営業活動を行い、女性社員はアシスタントとしてフォローを行うのが業務でした。

アシスタントと営業マンは誰と誰が一緒に仕事をするとは決まっていません。アシスタント業務を仕切っている課長が、営業マンの業務内容を見て指示を出しているという職場でした。

しかしA子は、自分の気に入った人の仕事しかしませんでした。相手を見て仕事をするかどうかを決めているらしく、もちろん男性上司には色目を使い、有望な若手社員にはあれこれ世話を焼くような状態……アシスタントとしてはあるまじき行為です。上司が何度も注意したのですが、一向に直ることはありませんでした。

中途入社のTさん

ある日、私たちの部署に中途入社のTさんという男性が配属されてきました。Tさんは営業部には珍しいくらい大人しい雰囲気で、押しの弱そうな印象がありました。

そんなTさんをA子は知らんぷり。歓迎会にも出席せず、あからさまに見下したような態度をとっていたのです。

しかし、Tさんはとても実直な人柄で、顧客からの信頼をどんどんと勝ち取っていきました。アシスタントに対する気遣いもできる人で、Tさんの評価は部内でもうなぎのぼり!

そのうち営業成績も部内トップになるほど。中途入社ではありましたが、社長賞などを受賞するトップ営業マンになったのです。

同僚とTさんの結婚

私たちの職場の営業マンは、年俸制を導入していました。もちろんTさんの年俸は入社時よりも跳ね上がり、社内でも一目置かれる存在になっていきました。

そんなとき、私の同期入社の友人とTさんが結婚することになったのです。以前から2人のことを知っていたアシスタントたちは、一気にお祝いモード!

Tさんの人柄はお墨付きで、なおかつ社内でも将来を有望視されていたこともあって、友人は周囲から「玉の輿!」とお祝いをしてもらっていました。