毎日、子供の宿題をみるのはとても大変なことですよね。ただ、イライラするからといって、厳しく指導しすぎるのも良くありません。今回は、筆者の友人Aさんから聞いた実体験をご紹介します。

二年生の関門・逆さ九九

Aさんには二年生の男の子・Bくんがいます。Bくんは、二学期に九九の学習が始まってから、毎日暗唱の宿題に取り組んでいました。

最初はスラスラ覚えられていたBくん。しかし、逆から読む「逆さ九九」につまづいてしまいます。

逆さ九九とは「いんいちがいち」からではなく、逆の「いんくがく」から唱えていくという方法です。下がり九九ともいいます。

これが簡単なようで、なかなか難しい。九九がスムーズに覚えられたBくんでも、逆さ九九は頭の中でごちゃごちゃになってしまうようで、苦戦してしまいます。

息子に怒鳴り散らす夫

逆さ九九の暗唱は二十秒以内に行うのが、宿題の合格基準でした。なので合格できるまで、子供が親にチェックをしてもらう必要があります。

しかし、何回練習をしても逆さ九九が言えないBくん。それに腹を立てたのがAさんの夫でした。

「お前は頭ワリィーなぁ! 誰に似たんだか!」

夫は息子に怒鳴り声を上げ、深夜までBくんに逆さ九九の練習を強要しました。泣きながら、壁に貼ってある九九ポスターを読み上げ続けるBくんの姿に、Aさんは居てもたってもいられなくなりました。

ただ、Aさんが「やめてあげて!」と夫に言っても、「黙れ! お前がバカなせいだろ!」と罵られるばかり。こんな日々が何日か続き、家庭内はギクシャクしていきました。