A子の目に入ってきた文字とは?
カップルの男性のほうは部活に入っていたようで、彼は大学名入りのバッグを持っていました。
A子はそのバッグを見て思わず「え? 〇〇福祉大学!?」と大学名を口に出してしまったのです。
そこは介護福祉や障害福祉、児童福祉などを学ぶ大学。学生が主体となって子育てに関する啓発活動も行っているようで、周辺地域の住民にとっては、立派な学生たちという印象がありました。
A子にとっては、そこに在籍する学生がベビーカーに文句を言うなんて、信じられなかったのです。
そそくさと逃げる大学生カップル
A子の声を聞いた周囲の乗客はバッと大学生カップルに目を向けました。
そして『福祉大学の学生なのに』感が込もった視線を大学生カップルに浴びせたのです。
乗客たちの冷たい目線に慌てる大学生カップル。
彼らはなんで大学名がバレたのかわからず、キョトンとしていましたが、バッグに大学名が書かれていたことに気付き、男子学生は慌ててバッグを隠しました。
そして、まずいと思ったのか、カップルはそそくさと隣の車両に逃げて行ったのです。
何を学んでいるんだか……
実はバッグには大学名だけではなく、学生の名前も書かれていました。
A子は名前もバッチリと確認していたため、一瞬大学に連絡しようかと考えましたが、証拠もないし、学生から逆恨みをされても怖いので、やめることに。
偏見かもしれませんが「あの大学に通う子たちは、きっと素敵な学生たちだろう」と思っていたA子は、悲しくなってしまいました。
大学生カップルにも何か理由があったのかもしれませんが、これをきっかけに心を入れ替えて、真面目に福祉を学んでほしい、と感じたそうです。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:江田 愉子