子どもが可愛いのはどの親も同じことです。しかし可愛がるのと溺愛するのとではまったく違う結果が待っています。これは筆者の友人・Y江から聞いた息子を溺愛する母親のエピソードです。

「息子がかわいそう」が口癖の姑

夫は母親に溺愛されて育ちました。1人息子ということもあったのでしょうか……溺愛されるがあまり自由を奪われるような生活を強いられ、夫曰く「とても窮屈な家だった」そうです。家族の中のヒエラルキーは母親が一番高く、母親がすべて家の中を回していたと言います。

そんな母親が姑となり、嫁である私は結婚当初から敵のように扱われていました。
姑の口ぐせは「●●(夫)がかわいそう」
私のような嫁と一緒に暮らすこと自体がかわいそうだと思っているようで、我が家に来るたびに何かとケチをつけては「●●(夫)がかわいそう」とため息をついて帰っていくのが通例でした。

思わぬボーナス

私は出版社で編集の仕事をしています。ある日私の部署が手掛けていた書籍が大ヒットし、臨時ボーナスが支給されました。通常のお給料の3倍近い金額だったので、私たち夫婦は大喜び! 夫と相談して、行けていなかった新婚旅行へ行こうということになりました。

お正月の休みを利用して、1週間の旅行へ出かけた私たち。旅行中に姑の嫌がらせを夫に相談すると、「あの人は何を言ってもダメだから、放っておくしかない」と理解をしてくれました。

しかし楽しい旅行の後に、とんでもないことが待っているとは、思いもしませんでした。

義両親の喧嘩

旅行から帰ってきて数日経ったころ、急に姑から連絡がありました。「いつもは連絡もせず急に押しかけて来るのに何だろう?」と思いながら電話に出ると、「お父さんと喧嘩して別居することになっちゃった! 私と離婚するって言いだしたの!」と言うのです。

これはただ事じゃないとすぐに夫にも連絡し、夫が舅と話をすることになりました。

帰宅した夫の話によると、舅は以前から子どもの育て方で姑と対立することがあったらしく、何を話しても全く受け入れない姑に対し、不信感が募っていたそうです。私への嫌がらせにも気が付いていて、嫁イビリをする人間性にも愛想が尽き、ちょっとした言い合いを発端に大喧嘩になり「もういい!」と別居することにしたというのです。