世の中には信じられないようなパワーを持った人がいます。時にそのパワーは驚くような結果を招くこともあるようです。これは筆者が実際に体験した、ちょっと不思議なパワーを持った同僚のお話です。

同僚のA子

私の同僚、A子は少し不思議な人。見えないものが見えていたり、聞こえない音が聞こえていたり……時には予言めいたことを言うこともあり、俗にいう『霊感の強い人』というイメージがありました。

A子とは部署も同じだったので、私は仲良くしていたのですが、中には「ちょっと怖い」と言って敬遠している人もいました。確かにそのくらいA子は不思議なパワーを持っている人だったのです。

理不尽なパワハラ上司

私とA子が所属する部署には、とても理不尽なパワハラ上司がいました。自分の機嫌で部下を振り回し、何かのドラマのセリフのように『上司の失敗は部下の失態・部下の成功は上司のもの』を地で行くようなタイプでした。

パワハラ上司の矛先はいつ誰に向けられるかわからず、みんなビクビクしながら仕事をしていましたが、ある日その矛先が私に向けられたのです。

それからの毎日は本当に地獄のようでした。揚げ足をとるだけでは気が済まず、何かと文句をつけてくるようになりました。

社内での罵倒

ある日、パワハラ上司は自分の連絡ミスが原因で、取引先の担当者を怒らせてしまいました。それがなぜか私のせいだと言い出し、「お前がちゃんと電話が来たことを言わないからいけないんだ!」と部署の人が大勢いる前で罵倒し始めたのです。

私は連絡が来たことをしっかりと上司に伝えていました。いつも用件を伝えても無視をされていたので、電話の受付メモにも記入して渡すようにしていたからです。

あまりの理不尽さに、他部署の上司も仲裁に入るほど。それでも怒りが収まらないパワハラ上司は、私に「辞めちまえ!」と怒鳴って帰って行ったのです。

すると一部始終を見ていたA子が、心が折れそうになった私に「大丈夫。私に任せて!」とニッコリと笑って励ましてくれました。