友人から聞いた話です。友人の姑はほとんど働いたことがない人です。学生時代にアルバイト経験もなく就職して1年足らずで結婚し、ずっと専業主婦でパート経験もないのです。かなり世間知らずとは聞いていました。姑と話すと時々「は?」と突っ込みたくなることがあるそうで……。
「そうねぇ。舅は老後のお金結構蓄えているから問題ないわよ」
「もしお金が無くなったら私、ラーメン屋さんでも始めようか思うの」
「ど、どうしてですか?」
「私、お料理好きだし。ラーメンって、チャッチャッってザルでやればいいから簡単だわよね」
友人は開いた口がふさがらず、ただただ呆れてものが言えなくなってしまいました。
友人は「あのね、ラーメン屋さんっていうのはね、何年も修行して死ぬ思いして技術を身につけて、寝る間も惜しんで商品開発してメニュー考えて、かなりの重労働でスープ作って、そんなこんなで大変な思いをして1杯のラーメンを完成させているの。なにがチャッチャッで簡単だ!!」なんて、言えるはずもなく……。
優しい息子もいるし♡
姑は「私は大丈夫よ。ひとりになっても平気だから。優しい息子もいるし♡」と発言。
友人は
(絶対平気じゃない!)という心の声を押し殺したのでした。
永遠にかみ合わない会話を終えて、姑は家に帰っていきました。夜になって夫が帰宅。友人は胸の内のすべてを夫に話しました。子供を預かってくれる姑には感謝しているけれど、働くことに理解を示してくれないことがつらい。そして、もし舅が先に亡くなって姑がひとりになっても、価値観の違いでストレスがたまるから、同居は無理!と宣言したのでした。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:鈴木まさ美