友人たちとドライブに行くことに
当時、車の免許を取ったばかりだった私は、運転の練習がてら高校の同級生A子・B男・C美の3人をドライブに誘いました。
私「初心者でも大丈夫そうなドライブスポットってあるかな?」
B男「あ、そしたら〇〇山のふもとのトンネルとかどう? 有名な心霊スポットの!」
私「えー怖い! でも昼間だったら明るいし、A子とC美が問題なければそこにしよう!」
B男とそんなやりとりがあり、A子とC美も問題ないとのことだったので、地元で有名な心霊スポットに行くことになったのです。
まさか、あんなことになるとは思わずに……。
友人A子に異変が
当日、私は親から借りた車に友人3人を乗せて、心霊スポットに向かいました。
実はこの日のメンバーの1人、A子には高校時代に「霊感がある」と噂が流れたことがありました。
そのため、A子は他のメンバーから質問攻めに合うハメに。
B男「A子ちゃん幽霊見えたことある?」
C美「昔A子ちゃんといると不思議なことが起こるって噂あったけど、あれ本当?」
A子は長いツインテールの黒髪を触りながら、どの質問も「うーん」と曖昧にかわしていました。
A子は高校の頃から特定の人とつるむことをせず、どのグループにも属していませんでした。
私は高校時代、A子とは接点がありませんでしたが、偶然大学が一緒になり、同じアイドルを推していることが発覚して会話するように。
元々私の友人だったB男とC美も、A子とはあまり話したことがなく、A子は謎が多い存在だったのです。
そんなA子に異変が起きたのは、心霊スポットからはまだ程遠い、山に向かう細道を通っている時でした。
その細道は整備されておらず、私は小石や砂利を飛ばして親の車を傷つけないよう、スピードを落として運転していました。
A子「寒い」
突然つぶやくA子。
思い出話に花を咲かせていたB男とC美も話すのをやめ、A子に注目します。
A子「寒い……寒い、ここ、嫌。早く離れて」
真っ青な顔でブルブル震えるA子を見て、ただごとではないと思い、私はスピードを上げてその細道から脱出しました。
すると徐々にA子の震えは止まり、顔色も良くなってきたので、私達はほっと胸をなでおろしました。
その後、そのまま心霊スポットであるトンネルまで行きましたが、特に何も起こらず。
A子に異変が起こった細道を通らないように迂回して帰り、友人たちを自宅まで送った後、私も家に帰りました。