するとその日から突然、B美から連絡が返ってこなくなったのです。
職場で話しかけても無表情で、あからさまに避けている態度。
周りの人に「B美から避けられている」と伝えても、苦笑いで去っていかれてしまいます。
気づけば私は、職場で孤立していました。
一番仲良しだと思っていたB美だけでなく、よくつるんでいた同僚たちも、私から離れていったのです。
理由も教えてもらえないので、私はなす術なく、産休に入るまでの3カ月を暗い気持ちで過ごしました。
今でも理由はわからないまま
1年半後、産休・育休が明けて職場復帰した時には、B美をはじめ、同僚数人が退職していました。
そして残っている同僚は妊娠前と変わらず、普通に接してきました。
まるで何事もなかったかのように。
どうしてあの時皆に避けられたのか、理由を知りたい気持ちもあります。
でも、孤立した苦痛を思い出すのが辛くて聞くことができず、結局理由はわからないままです。
私にも悪いところがあったのかもしれません。結婚してからの妊娠であれば、周りも「きっとそのうち産休・育休を取るだろうな」と想像できますが、私の場合はおめでた婚だったので、突然のことで周りに迷惑をかけたと思います。
でも、それならB美から言って欲しかったという思いが、今でもくすぶり続けています。
産休・育休は労働者の権利ですが、自分の知らないところで周りに負担を強いていることがあるかもしれません。
取得する場合は周りへの配慮を忘れずに、また周りの人も「お互い様」になる可能性があることを念頭に置いて接することで、良い職場環境を保てるとよいですね。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Hinano.N