筆者が友人の結婚式のために、着物を着た時の体験談です。美容室で着付け、ヘアセット、メイクを頼んだのですが、メイクさんが来なくて……?

「あの、せめてメイクをもう少し」

その時点で、もうほとんど時間が残されていませんでした。

基礎化粧とファンデーションを塗ったのはいいものの、
その後は簡略、簡略、超簡略! で、あっという間にメイク終了。
多分、わたしは「え……」の口をしたまま、唖然としていたと思います。

それなのに、しっかりトータル料金を請求されて、なんだか腑に落ちませんでした。
「なんで自分でメイクしてこなかったんだろう??」と泣きそうに。
自分のいつものメイクより簡素だったので、信じられませんでした。

支払いを済ませて、最後に勇気を振り絞りました。
「あの、せめてマスカラだけでもしてくれますか?」
下手に出てお願いをすると、
女性スタッフはため息をついて、面倒くさそうにマスカラを塗ってくれました。
しかもなぜか、着物のイメージに合わない青いマスカラ。もう帰りたい。

その後、女性スタッフは店長からこっぴどく叱られて、翌日から来なくなったそうです。
当然、私もその美容室に行かなくなりました。
その美容院にとってはいつも通りのメイクだったのかもしれませんが、今でも、あの日のメイクを思い出すと、悔しくて仕方ありません。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Itnライター:田中つぐみ