最近のニュースで、高齢者によるブレーキとアクセルの踏み間違いで起きた事故が連日報道されています。乗り慣れているはずの車でなぜ……今回は筆者が実際に経験したとんでもない事故の被害についてのお話です。

思いがけない申し出

車を置いて帰ろうとした女性を周囲の人が引きとめ、警察と消防に通報しました。幸い店内にはお客さんも店員さんも事故が起きた現場の近くにいなかったので、ケガ人はなし。しかしガラスは粉々に砕け、店内にあったコピー機とATMは無残な形となっていました。

するといきなり高齢の女性が私に近づいてきて、こう言いました。「警察は呼ばないで。修理代は払うから。」

警察にはすでに通報されていたので、「無理ですよ。」と伝えると、ガックリと肩を落として近くの車止めの上にしゃがみこんでしまいました。

ご家族の謝罪

後日、私の家に高齢女性の家族が謝罪に訪れました。ご家族の話では、今までにも小さな事故を何度か起こしていて、今度事故を起こしたら免停になってしまうこと、家族からは免許を返納するように強く言われていることなどがあったというのです。

私の住んでいる地域は交通機関が不便なので、どうしても車での移動が求められます。高齢になっても車を運転しなければ生活に支障が出るのは承知の上ですが、あんな事故を起こしてしまう前に何とか別の方法を模索する必要があるのではないかと感じました。

まとめ

どんな事情であれ、あれだけの事故を起こしておいて「車が故障している」「車屋さんが悪い」という言い訳はあまりにも身勝手だと感じました。私に警察に言わないで欲しいと言ったということは、自分でも自覚があったということですよね。

テレビで同じようなニュースを見るたびに、あの時の恐怖がよみがえってきます。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K