子どもの行事は、親もついつい気合が入ってしまうものです。しかしルールやマナーはしっかりと守らなければいけません。これは筆者の友人S美から聞いた信じられないような運動会でのお話です。

校門を入って校舎の裏側にある校庭へ行くと、信じられないような光景が目に入りました。
何と! 一番前を陣取っている保護者が、テントを立てていたのです。

一番前の席は後ろの席に配慮するように学校からも言われているのに、そんなことはお構いなし。どうやら6年生の保護者たちのようで「今年が最後だから」と意気込んで一番前の席を確保していたようです。

いくら最後だからって……

徐々に保護者たちが集まってくると、一番前の席にテントが張ってあることが問題になりつつありました。担任の先生が何度か注意をしたようですが「最後だから」という理由で、一向に動こうとしません。どうやら専属のカメラマンを雇ったようで、その人が写真を撮りやすいように場所を確保したということでした。

他の学年の保護者もこれにはみんな呆れ顔。先生に直接文句を言う人も出てきて、会場は騒然となりました。開始時間が近づいてきたときに現れたのは校長先生。「お気持ちは分かりますが、ルールはルールなのでお願いします。」と頭を下げて、何とかテントを撤去させるようにしたのです。

思わぬ形で有名に

テントを撤去しながら、6年生の保護者たちは口々に文句を言っていました。周りで見ていた他の学年の保護者は、あまりの騒ぎに運動会が始まる前から疲れてしまったほど。

非常識さには呆れましたが、何とこの騒ぎを保護者と一緒に見に来ていた児童の兄姉たちが動画を撮影し、「運動会でびっくりした親たち」というタイトルでSNSにUPしたのです。

この動画はすごい勢いで拡散し、「ありえない」「何を考えているのか」「非常識だ」などと批判的なコメントで埋め尽くされていきました。

気合いの入れすぎにはご注意を

テント騒ぎのママ友軍団は、悪い意味で有名人になってしまったことは言うまでもありません。この騒動は、PTAでも大問題となり、運動会のルールは再度徹底されました。

子どもの晴れ姿を見たいのは皆同じです。保護者のルールを守っている姿が子ども達の良いお手本になることを忘れてはいけないなと考えさせられました。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K