親から与えられるはずの無償の愛……幼いころの記憶は、大きくなってからの人格にも影響を与えます。愛してもらえなかった子どもは、親に対してどのような感情を抱くのでしょうか? これは筆者の友人・W子から聞いた旦那さんのエピソードです。

可愛がられなかった幼少期

私の夫は3人兄弟の長男です。夫の育った家庭は男所帯で、気の強いお母さん=姑が仕切っているような感じだったといいます。

3人の男の子を育てるのは大変だったと思いますが、なぜか姑は次男・三男だけを異常に甘やかし、長男である夫には非常に厳しかったそうです。

私が結婚の挨拶に行ったときも、特に喜ぶ様子もなく、あまりにも淡々としていたので驚いたほど。可愛くないというよりは、興味がないといったような印象を受けました。

夫の悲しい記憶

結婚生活の中で、姑が夫に対して興味がないと感じたことが多々あったため、夫にその理由を聞いたことがありました。

夫は、小さいころから自分と弟たちに対する態度があからさまに違ったこと、自分だけ折檻のように暴力を受けたこともあったことを話してくれました。母親のことはどうしても好きになれないとも。

夫の話はあまりにも悲しく、私は「これからあたたかい家庭を一緒に作ろう」と夫と約束をしたのです。

弟たちの嫁との確執

私たちが結婚してから数年後に、弟たちが立て続けに結婚をしました。結婚式も私たちの時とは桁違いの豪華さで、それにもビックリ! しかしそれぞれの結婚生活が始まってからは、思いもよらない弊害が生まれたのです。

それは弟たちのお嫁さんと姑の確執。

結婚したにもかかわらず、今までと同じように干渉してくる姑に対し、弟の嫁たちは総スカン! 私にも「大っ嫌いなんです!」と愚痴をこぼすほど毛嫌いしていました。

お正月やお盆など、家族が集まる機会にも嫁たちは顔を出さず。姑は自分が原因であることにも気付かず「何で?」といつも文句を言っていました。

姑の豹変

結婚して5年後、我が家にも待望の第一子が誕生しました。すると姑は今までのことをまるでなかったことのように、我が家に干渉し始めたのです。連絡もなく急に押しかけてきたり、自分のセンスで選んだベビー用品を大量に送ってきたり。

夫は「〇〇ちゃん(弟の嫁)たちに相手にされないからだろう。」と姑を冷めた目で見ていました。一方の私は、姑のあまりに豹変した様子についていけませんでした。

おばあちゃん怖い

息子が幼稚園に上がった頃も、姑の過干渉は続いていました。ただし、やはり自分の思い通りにならないと済まない性格が災いして、息子は「おばあちゃん怖い」と言って、全然懐きませんでした。

そんなある日、姑がいつものように何の連絡もなく我が家にやって来た時に、事件が起こったのです。