心を込めて作ったお料理を、「マズい」と言われたら傷つきますよね。今回は何を作っても旦那さんに「マズい」と言われて悩んでいた経験のある私の知人、Yさんから聞いたお話です。

3人で夕食、しかし……

「ただいまー。あれ、母さん来てたの」
「うん、Yさんのご飯がどんなものか食べてみようと思って」
「ふーん、まあマズいけど食ってきなよ」
旦那さんは帰宅してすぐ、お姑さんにYさんの料理がマズいことを伝えました。Yさんは内心傷つきながらも、出来上がった食事を盛り付けてテーブルに運びます。

「いただきまーす」
手を合わせて、3人は食事を始めました。
「やっぱマズい!」
旦那さんはいつものようにマズい、を連発します。
「そんなにマズい?」
お姑さんは不思議そうに尋ねました。
「マズいよ、俺だから我慢できるけど」

「はあ!? 悪かったわね、今日のごはんは私が全部作ったんだよ!」
お姑さんは大声で言いました。
「母さんが?」
「そうよ、Yさんお料理上手いのにマズいって言われるって悩んで私に習いに来たのよ? なんか怪しいと思って、今日は私が作ってみたんだよ。一体どういうわけ?」

お姑さんに叱られて、旦那さんは気まずそうに答えました。
「亭主関白に憧れてたんだよ……先輩に聞いたら最初が肝心だって言われて」
「そんな理由だったの? この大バカ息子!!!」

詳しく聞いてみると、旦那さんは昔から亭主関白な家庭に憧れていて、まず手始めに料理に文句を言うところから始めたのだと言います。
「亭主関白ってのはね、ただ文句つけることを言うんじゃないのよ! 勘違いもはなはだしい!」

旦那さんはお姑さんに散々叱られ、それからは料理に文句をつけることがなくなったとのこと。
亭主関白どころか、今ではYさんが完全に尻に敷いている、立派なかかあ天下です。

亭主関白に憧れるのは結構ですが、結局旦那さんにはその器がなかったようですね。

ltnライター:緑子