結婚は本人同士の問題ではなく、お互いの家族も必ずかかわってきます。赤の他人だからこそ感じてしまう価値観の違いが生むトラブルも少なくありません。これは私が体験した義実家とのトラブルのお話です。

両親の心配を押し切った結婚

私は会社員の父とパートで働く母に育てられました。裕福ではなかったものの、衣食住に困ることはなく、大切に育ててもらったと思っています。

付き合っていた彼は地元の建設会社の社長の息子でした。彼にプロポーズされて結婚したいと話をすると、今まで何も言わなかった両親が、いきなり結婚に対して後ろ向きのことを言い出しました。

価値観の違い・金銭感覚の違いは、結婚生活に大きな支障を与えかねないというのです。私は彼との結婚を望んでいたので、両親の心配を半ば強引に押し切ってしまいましたが、このときの両親の言葉を早い段階で思い知らされることになるとは、想像もしていませんでした。

義両親の経済マウント

義両親とは最初はうまくやっていました。歯車が狂い始めたのは、息子が産まれたとき。私の両親が包んでくれた出産祝いが少ないと文句を言ったことでした。「こんなのはお祝いの金額じゃない」「信じられない」「親として情けない」など、ひどく罵り、私の両親のことをバカにしたのです。

義母に押されるように義父も参戦してくるようになりました。夫に相談しましたが、仲裁に入ってくれることはありませんでした。その後嫌がらせはエスカレートし、ついには実家の両親に直接「甲斐性なし」と言うレベルに……。結婚前に両親に言われたことが現実味を帯びてきたのです。

不況のあおりで倒産した会社

しかし結婚して10年が経った頃、義父の経営する会社は不況のあおりを受けて、経営不振に陥りました。そしてあっという間に倒産。担保にしていた自宅を追われることになってしまったのです。

そんな状況の中でも、私に対する嫌味を言い続ける義両親と、守ろうとしてくれない夫に愛想も尽きて離婚を考えるように……。心配した実家の両親が「帰っておいで」と言ってくれたので、私はいったん息子を連れて実家へ帰ることにしました。

恥も外聞もない申し出

実家に帰って3日ほど経ったとき、急に夫から連絡がありました。「話があるからそっちへ行ってもいいか」とのこと。私はてっきり離婚の話をするのかと思いOKを出したのですが、驚くことにやって来たのは、夫だけではなかったのです。

夫は義両親を連れて実家へやってきました。すると開口一番、舅が「今までのことは水に流して助けてほしい」と言い出したのです。聞けば今は親戚の家に間借りをしている状態で、財産はほとんど尽きてしまい、無一文に近い状態だとか。あれほどバカにしていた私の両親に対する謝罪もなく「水に流して……」と言い出しました。