公共交通機関のマナーは、みんなで思いやりをもって守っていきたいもの。しかし中にはとんでもないマイルールを持っていて、周囲に迷惑をかけてしまう人もいます。これは筆者が実際に電車で経験した驚くような乗客の話です。

臨月で電車に乗ったら……

私は長男を妊娠中、祖父が事故に遭って大けがを負ったため、病院へお見舞いに行くことになりました。すでに臨月だったので、車の運転は控えて、足元に気を付けながら最寄駅から電車に乗りました。

私が利用していた電車は、昼間でも少し混みあうことがあり、その日も座ることはできず。転ばないよう吊革につかまっていました。

高校生の男の子の優しさ

私が立っていた前の座席には、高校生の男の子が座っていました。試験中なのか、参考書を一生懸命読んでいて「昔はこんなふうに勉強したなぁ。」と思いながら見ていたのです。

しかし、久しぶりに乗った電車で揺られているうち、少し気分が悪くなってきてしまいました。次の駅で降りようかと思っていたところ、座っていた高校生の男の子が「大丈夫ですか? どうぞ。」と席を譲ってくれたのです。

いつもなら「大丈夫です。」と断るのですが、体調が思わしくなかったこともあって「ありがとう。」とお礼を言い、譲ってもらおうとしました。

臨月の女性を突き飛ばしてまで?

その時です。

急に後ろから「あっ、空いたわ!」と独り言を言いながら、60代前半くらいの女性が私を突き飛ばして座ろうとしてきました。

駅に停まったわけではないので、車内にいた人なのでしょう。だったら今のやり取りも聞こえていたはずなのに……。持っていた大きなカバンを思いきり私の脚にぶつけてきたので、思わずよろけて転びそうになってしまいました。