「結婚式は全部自分たちで準備するんだ♡」妹の念願の結婚式でのこと。うすうす感づいていましたが、お金のない妹夫婦の結婚式には、身内それぞれに役割が与えられて……。まさかの大役に、大わらわだった私の体験談です。

突然決まった妹の結婚! 準備に大慌て!

妹が、長年交際していた彼と結婚を決めたのは、春先のことでした。
お腹に新しい命が宿っていることがわかって入籍し、夏に結婚式を挙げることになったのです。

義弟はまだ就職したばかり。保育士だった妹は、少ない給料でやりくりしていました。
そこで妹は、「流行りのDIY結婚式にするよ♡」とはりきっていました。
DIY結婚式とは、招待状や当日の式次第、食事のメニューから座席表に至るまで、自分たちで手作りする結婚式のことです。

ところが、末っ子で甘え上手な妹、「困ったときはお姉ちゃん♡」と私を何かと頼るようになりました。

映像づくりは、お姉ちゃんに任せて!

式の予定が決まって、最初に頼まれたのは、「映像づくり」。
仕事でよくやっていたこともあり、これに関しては、あまり苦にはなりませんでした。

最近の結婚式では、新郎新婦のお色直しの時などに、動画をスクリーンで流すことが主流です。
今ではスマホでも簡単に作れてしまいますが、この頃はまだ、パソコンでの技術が必要でした。

仕事終わりに妹の新居に寄り、作った動画を2人に相談しながら制作しました。
なんとか、結婚式1か月前には、満足のいく動画が3本仕上がりました。

ところが、結婚式1間前に、妹から、まさかの追加依頼があったのです。

まさかの大仕事とは……!

「お姉ちゃん、人前で話すの上手だから、司会してくれへん?」
と、事もなさげに頼んでくる妹。

二次会ではよく見られる光景でも、披露宴の司会を素人がやるのは、さすがに見たことがありませんでした。
「それはムリよ。プロに頼んでないの?」
「夫と話してて、司会って高くつくから、お姉ちゃんで十分やなぁって。」
お姉ちゃんで十分って、あなたたち、どういうこと?

普段の仕事も準備を周到にしないと、落ち着かない性分の私です。

結婚式までの1週間、とにかく調べて調べて調べまくりました。
結婚式の流れと、使ってはいけない「禁忌ワード」を頭に叩き込みました。
そして台本を作り、イメージトレーニングに励んで当日を迎えたのです。