これは私が実際に経験した怖いお話です。転職したばかりの職場で親切に接してくれる先輩K子。丁寧で優しい対応に心を開いていた私は、思いもよらないK子の目的を知ることになるのです。
転職先の職場で
私が転職した先の職場は、とにかく人間関係の荒んだ雰囲気でした。営業部ということもあり、営業担当者は目を血走らせ、アシスタントはそんな担当者にビクビク……。
入社したことを後悔してしまうような状況の中で、先輩社員であるK子だけはとても親切に接してくれました。K子はわからないことを教えてくれたり、困ったときに助けてくれたりと優しいお姉さんのような存在だったのです。
急なお誘い
転職して半年が過ぎたころ、K子から急に「今日、一緒に夜ご飯食べない?」とお誘いを受けました。
これまで軽いお茶会くらいはありましたが、一緒に夕食をとるのは今回が初めて。K子が結婚していたこともあって、食事は自宅で取るのが当然ということになっていました。急なお誘いではありましたが、嬉しかった私は夫にも許可をもらってOKを出し、仕事が終わるのを楽しみにしていました。
この人たち、誰?
仕事が終わって、K子と私は最寄り駅へ向かいました。これから店を決めるのかと思っていたのですが、すでにK子が「予約してある」と言うので、K子についていきました。
「着いた」とK子が言った店は、地下街の奥にある個室制の割烹料理屋。金欠気味だった私は「もっと安い店にしませんか? 今月ちょっと厳しくて。」と言いましたが、K子は「おごるから大丈夫!」と言ってどんどん店の中に入っていきました。
個室に通され、ふすまを開けるとそこには15人くらいの見知らぬ人たちがいたのです。K子はにこやかにその人たちと挨拶をしています。漠然とした不安が私を襲いました。