いつも、職場でお弁当を持参している知人女性に対し「ランチ代も出せないの?」と言ってマウントを取ってくる同僚A。いつも外でランチを食べているAにとって、お弁当は庶民的なイメージなのでした。
ですが、ある日、久方ぶりにオフィスでお弁当を食べることになったAは、そこで予想外の光景を目の当たりにします。今回は、お弁当で発覚した衝撃エピソードを知人女性から聞きました。

会社で度肝を抜かれるハメに……

「今月、ピンチだわ。仕方ないから、会社でパンを食べよう」
ある日、お金を使い過ぎてしまったAは泣く泣く、お昼は会社でパンを食べることにしました。
そこでふと知人女性を見て、Aは度肝を抜かれます。
「えっ!? そ、それ本当にお弁当なの!?」

それもそのハズ。知人女性が食べていたお弁当は、上品な漆細工に詰められており、メニューも目を見張る豪華さだったのですから。
野菜の筑前煮に、炭焼きの牛タン、おまけにデザートは金粉の入ったゼリーと手の込んだラインナップは、とても素人技とは思えません。
箸を止めると、知人女性はにこやかに告げました。「はい。実家が料亭なので、分けて貰ってるんです」

漂う気品に完敗

そう、実は知人女性の実家は老舗の高級料亭なのです。
知人女性自身、昔から日本舞踊や華道の嗜みを身に付けてきた生粋のお嬢様で、お弁当を食べる所作の美しさからも、育ちの良さが伝わってきました。

「箸の持ち方も、本当に綺麗だよな~。まさに大和撫子って感じ!」
「姿勢もピンとしていて、見ているだけで惚れ惚れする!」
そんな知人女性の優雅な立ち居振る舞いを見て、男性社員達がウットリと溜息を漏らすのが、お昼休み恒例なのでした。

そんな素性も知らず、今まで知人女性のことを見下してきたAは、これを機にすっかりおとなしくなったといいます。
「華やかなOL」気取りでマウントを取っていた自分が、どれだけ浅はかだったのかを、真の淑女の前で思い知ったのでしょう。

ltnライター:六条京子