クラスにいた、有名芸能人の息子。
教師をしている友人の担任していたクラスに、A男という生徒がいました。
A男の父親は、テレビで見ない日がないくらい、超有名な芸能人。
父親もその学校の卒業生だったといいます。
親を自慢しまくる子
A男は、芸能人の父親の話を隠すことなく、むしろ自慢していました。
暮らしぶりは当然裕福で、持ち物や服装からもそれがうかがえました。
周りの子が持っていないような高級文房具や、ハイブランドのスニーカーを学校に履いてきては、「お父さんが買ってくれた!」と友達に自慢していました。
年頃の子どもたちだったので、羨ましさからA男の自慢話を嫌がる子もいたようです。
教師の経験から考えても、今まで見てきた子どもたちは「親が有名芸能人」の場合、そのことを隠すことが多かったのです。
親の話を聞かれるのも嫌がる子がほとんどだったので、友人はA男の無邪気さに、驚いていたようです。
おそらく、A男と家族は信頼関係が深かったのでしょう。
親バカぶりも有名だった……!
お父さんは毎日テレビで見るような人で、忙しくて学校に顔を出すことはありませんでした。
出てきても、こっそり変装して、誰にも気づかれないようにやってきて、短時間で帰っていくことが続きました。
一方で、お母さんはいつもサングラスをかけ、着飾って訪れていましたが。
ところが、A男が晴れて卒業を迎えた日ーー。
「来賓からの祝電」の中で、A男の父親からの祝電も発表されたのです。
「A男くんのお父様は、テレビでも有名な〇〇さんです!」と紹介され、お祝いの言葉が述べられました。
その時のA男は、ひとり涙ぐんでいたそうです。
A男の父親のことを知らなかった会場の人たちは、大騒ぎでした。
わが子の卒業式に、自分の名前で祝電を送るなんて、普通の親では難しいことですね。
一見、「息子大好き」「お父さん大好き」な親子関係だと微笑ましいシーンですが、なかなかな「親バカ」ぶりに、失笑する人もいたそうです。