終電で帰宅途中、人気のない道を歩いていると、見知らぬ男が……! 背筋も凍るような恐怖体験をした筆者の話をお届けします。
終電での帰宅、人気のない道……
ある日、仕事の終わりが深夜になってしまい、終電で帰ることになりました。
最寄り駅から自宅までは、人気のない一本道です。道から少しそれると、両側は山でした。
電車から降りたあと、私は街灯の少ない道を、一人、とぼとぼと歩いていました。
すると向こうから、若い男性が歩いてきます。しばらくして、すれ違っていきました。
こんな時間に、誰かと会うことも珍しい場所でした。
そして翌日もまた終電に。
同じように、一人寂しく暗い道を歩いていました。
前日と同じくらいの時間に、やはり遠くから、男が歩いてきます。
見知らぬ男が……!
「田舎の町だから、誰か知っている人かもしれない。」
そう思った私は、男の顔をじっと見ましたが、覚えのない顔でした。
「やっぱり知らない人か……」と俯いた瞬間。
男が私に飛びかかってきました。
両手で私の体を押さえつけ、山に引っ張っていこうとします。
山に引き込まれたら、もう終わりだと思いました。
「襲われる? 殺される?」
人が誰もいない恐怖の中、男に抵抗しながら、必死で声をあげました。
「助けて!」だったのか、「キャー!」だったのかも、思い出せません。
ただ私の声は、人より大きく、よく通るのです。だから、とにかく声を出すしかありませんでした。