言葉には裏の意味を持つことがありますよね。素直に受け取ったあとに、背筋が凍りつきそうになった経験はありませんか? 今回は、裏の意味に気付いてゾッとした筆者のエピソードをご紹介します。

先輩の言葉には裏がある……?

私にはいつも仕事を教えてもらっている女性の先輩がいました。
先輩は笑顔を絶やさない穏やかなタイプ。
優しい性格で裏表のない女性だと思っていました。

ところが、あるときから「先輩の言葉には裏があるのでは?」と疑うようになったのです。

これは嫌味?

疑うようになったきっかけは、仕事のスケジュールを先輩に確認したとき。
ミスを防ぐために再確認を行ったら、「念入りに確認してくれてありがとう」と笑顔で言われたのです。

このとき、ふと「何度も言わせるなよ」と言われたのでは? と気づいた筆者。というのも、その時の先輩の目の奥が笑っていないように感じたのです。
それまでなんとも思っていなかったけれど、疑い始めると先輩の言葉は怖く感じてきました。

先輩の言動が気になった私は、それから注意深く先輩の表情を見るようになりました。

飲み会が開催されるときに先輩から言われたのが、このセリフ。
「今度の飲み会来れるの? 仕事、忙しいんじゃないの?」
今までだったら、心配してくれる優しい先輩だなと思っていました。ですが、このセリフは「仕事もままならないんだから、飲み会には来るな」という意味ではと勘繰ってしまいました。

別の仲のいい先輩にこのことを相談したら、
「あ〜、彼女は裏表激しいからね。あまり気にしない方がいいよ。」
と苦笑いしながら言われました。

同僚にこの話をすると
「今更気がついたの?! 裏ですごく悪口言ってるって有名な人じゃん。」と呆れられました。

深読みすると、怖い発言が次々と……

残業をして仕事を仕上げたときは「丁寧な仕事ぶりね」と言われました。
褒め言葉と受け取っていましたが、深読みすると「仕事遅いんだよ」の意味になります。

一番怖かったのが、会議終了後に言われた「よく勉強しているね」という言葉。
その会議では私が意見を出し、そこから仕事が拡大することになりました。

先輩のセリフはどういう意味だったのかな、と同僚に話すと
「業務の負担が増えたから、余計なことするなよって意味じゃない? そういうこと思いそうな人じゃん。」と言われてしまったのです。

先輩の笑顔にゾッ!

言葉だけみると普通のやり取りなので、裏の意味に気付いてゾッとしました。
穏やかな先輩だと思っていたのに、笑顔で遠回しに嫌味を言う人だったとは……。

私は先輩と会話するたびに緊張するようになってしまいましたが、その数ヶ月後めでたく異動により離れることができました。

社員の多くは、先輩の言葉の裏に気が付いていたようです。
私自身は、遠回しに嫌味を言う人に今まで会ったことがなかったので、すぐには気がつきませんでした。
今ではちょっとした笑い話になっていますが、私のあっけらかんとした対応に、周りはヒヤヒヤしていたそうです。
長い間、先輩の本音に気がつけなかったのは、ある意味幸せだったのかも、と思える経験でした。

ltnライター:愉子