犬を飼っている方には、血統書を重視している方も少なくないようです。血統書つきの犬は雑種より優れている、という考えなのだとか。今回は雑種の飼い犬をバカにされた筆者の知人のエピソードをご紹介します。
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雑種しか飼えないの?

筆者の知人のA子一家は、縁あって捨てられた雑種の犬を迎え入れることにしました。
もともと動物が好きなA子家族。迎え入れた犬を大切に育てていました。

A子が愛犬と近所を散歩していると、同じく愛犬の散歩をしていたご近所の奥さんのB美と遭遇。
A子の犬をちらっと見て「まぁ、雑種? 安い雑種しか飼えないの?」とバカにしてきました。
さらに「うちの子は血統書付きなのよ」という自慢もプラス。B美は飼い犬をダシにマウントをとってきたのです。

会うたびにマウントをとってくるB美

それ以降、A子は散歩でB美に会うたびに「雑種の犬はバカで苦労するでしょ。血統書つきは由緒正しい犬で賢く優れているの」などと血統書自慢をされました。

血統書は出生を証明するものであって、犬の賢さを示すものではないし、雑種がバカだという考えに根拠はありません。

A子は否定したくなりましたが、プライドが高いB美に反論すると面倒なことになりがち。「ハイハイ」と聞き流していました。

B美の飼い犬が突然……!

ある日、B美の自慢話をいつものように聞き流していたら、突然B美の飼い犬がB美の手をガブリ!
飼い主の手を噛んでしまいました。
強く噛まれなかったので大事には至りませんでしたが、B美の手からは血がタラリ。

実はA家の犬はドッグトレーナーによる訓練を受けていて躾がちゃんとされていましたが、B家の犬はまったく躾をされていませんでした。
無駄吠えをしたり人に飛びかかろうとしたりと、落ち着きがありません。

B美は「だめよ~」と言うだけで本気で注意をしていなかったので、飼い主の言うことを聞かない状態になっていました。

犬に罪はないが、飼い主にはある!

犬に罪はないけれど、飼い主には責任があります。
これまでさんざん血統書つきの素晴らしさを自慢されていたA子は、「飼い主の手を噛むなんて、血統書つきの犬って大変なんですね。躾はどうしているんですか?」と嫌味を言いました。
B美は「今日は調子が悪かったのよ!」と謎の言い訳を残して、そそくさと退散していったそうです。

その後B美の犬も訓練を受けることになり、ずいぶんと落ち着きました。
反省したのか、血統書自慢も控えめになったB美。A子の犬を「雑種にしては、まぁまぁ賢いわよね」と一応、褒めるようになったそうです。

ltnライター:愉子