奥様はキャリアウーマン
Yさん夫婦はもともと大学の同級生で、卒業後すぐに結婚をしました。
旦那さんはある資格を取ることに集中するため、卒業後すぐに就職はせず、代わりに妻のYさんが大企業に就職が決まったため、バリバリ働いて旦那さんを支えていました。
しかし旦那さんは数年間のチャレンジもむなしく、資格の試験に合格することができずに夢を諦め、地元の企業に就職することに。
「お前はすごいよな、大企業でバリバリ働いて。自慢の奥さんだよ」
旦那さんはことあるごとにそう言ってYさんを褒め、Yさんの仕事が忙しい時期にはいつも分担している家事を全部担うなど、陰ながら支えていました。
というのも旦那さんが就職した会社は小さな企業でお給料もボーナスも少ないため、生活費のほとんどを大企業勤めのYさんが負担していることに引け目を感じていたのです。
旦那が豹変
そんな生活を続けていたある日、Yさんは旦那さんが自宅にいる時、やたらとスマホを触るようになっているのに気が付きました。
こっそり画面をのぞき込んでみると、文面こそ見えなかったものの、誰かとLINEで頻繁に連絡をとっている様子。
誰とLINEしているのか聞いても、「飲み友達」としか言いません。
「前はそんなことなかったけど……トイレにもお風呂にもスマホを持って行くなんて、あやしい！ 」
Yさんは思い切って旦那さんを問い詰めてみることにしました。
「ねえ、あなた浮気してない？」
「な、なんだよ急に！」
旦那さんはうろたえて、画面が開いたままのスマホを手から落としてしまいました。
「ちょっと見せて！」
Yさんが素早くスマホを拾い上げて画面を見てみると、「大好きだよ」「早く会いたい」といったラブラブLINEの文面が目に飛び込んできます。
「ちょっと、誰とこんなLINEしてんのよ！」
旦那さんは観念したのか、大きくため息をつきながら答えました。
「バイトに来てる女子大生だよ」
「はあ！？ どういうつもりよ！」
「どういうつもりも何も、俺たち本気だから。俺、ほんとはキャリアウーマンなんか大嫌いなんだよ！ ちょっと稼ぎがいいからっていい気になりやがって！ その点この子はいい子なんだ、いつも男を立ててくれるし……」
不倫の恋に酔っている様子の旦那さんを見て、Yさんは一気に気持ちが冷めていくのを感じました。
「バッカみたい！ 離婚よ！」
Yさんはすぐに身の回りのものをまとめて家を出ました。