子どもって、大人には見えない何かが見えている、なんて話がありますよね。
これは筆者の親戚のお葬式で起きた、ちょっぴり切ないホラーなお話です。

おばあさんのお葬式

これは親戚のAさんから聞いたお話です。
先日、Aさんの義母が亡くなり、自宅で身内だけの小さな葬儀が行われました。

滞りなく進み、みんなで思い出話をしていると、Aさんの小学生の娘さんが棺桶の方をじーっと見つめていました。

孫の衝撃発言

Aさんが「どうしたの?」と聞くと、その娘さんは
「おばあちゃんが立ってる」
と言うのです。

その言葉に、親戚一同が注目しました。

Aさん「えっ? おばあちゃんが……?」

娘「うん、寝てるおばあちゃんの周りを歩きながら『これは私じゃない。私は死んでない』って、さっきからずーっと言ってるの」

その瞬間、みんなシーンと静まり返りました。

おばあさんは生前、とても元気で明るい性格でした。
数年前、病気が発覚し闘病生活になっても相変わらずで「私はまだまだ死なないよ!」が口ぐせだったそうです。

まさにおばあさんが言いそうなセリフだったので、その場にいた親戚一同思わずゾッとしてしまいました。

親戚の一人が「……おばあちゃん、どんな顔してる? 悲しそう?」と聞きました。

娘さんは「ううん、不思議そうな顔をして寝てるおばあちゃんを見てるよ」と言いました。

親戚の人は「そっかそっか、悲しいんじゃないならよかった。教えてくれてありがとう」。
そう言って、少し涙ぐんでいました。

その後はみんなで話し合い、ご住職にその話を伝えたそうです。

安らかな成仏を願うばかり

Aさんの娘さんは今までも、Aさんには見えない「何か」が見えると、ときどき言うことがあったそうです。

今回の話が本当かどうかはわかりませんが、もしAさんのお義母さんが自分の死を受け入れられないままだったらどうなるんだろう……そう不安になることも……。

Aさんは、どうか安らかに成仏してくれていることを願っている、とのことでした。

ltnライター:橘るい