受験するぞ! 小6の決意
息子が学校から元気なく帰ってくるようになったのは小6になりたての頃でした。心配したAさんが話を聞くと、気の合わない友達がいるとのこと。息子はその子たちと同じ中学に行きたくないと、受験をしてみたいと言い出しました。
これまで受験を検討したこともなかったAさんは驚きましたが、大切な息子が希望するならと受験を応援することに決めました。
小6からの受験勉強は遅すぎる?
Aさんの住む地域では、中学受験をするのなら小4から対策をするのが一般的でした。成績が特別良いわけでもない息子が受験をするのは無謀なチャレンジなのかもしれません。しかし、親として息子の希望を叶えるため、早速塾へと通い始めました。
すると、以前からその塾に子どもを通わせているという先輩ママと知り合いになったAさん。最初は親切に受験情報を教えてくれていた先輩ママですが、Aさんの状況を聞くと急にバカにし始めたのです。
「小6からなんて遅すぎる! 受かるのは99%無理ね!」
態度をガラリと変えた先輩ママには、これから受験が終わるまでバカにされ続けるのでした。
ママは信じる! 息子の成績が徐々にアップ
誰にバカにされても母親としてできるのは息子を信じサポートすることだけ。勝負の夏を過ぎても息子の成績は上がらず、相変わらず先輩ママからはバカにされる日々です。
「もしかしたら、ダメかもしれない……」
そんなこともAさんの頭にはよぎり、もし落ちてしまった時にどう慰めようかを考えるようにもなりました。しかし、秋頃から低迷していた息子の成績はぐんぐん伸び始めたのです。
「これなら志望校に合格できるかも!」
希望が見え始め、いよいよ受験の日を迎えました。
息子合格! 先輩ママの子は?
受験が終わり手応えを感じていた息子。塾に自己採点をしに行くと先輩ママに会ってしまいました。
「あら、どうせ受からないのにお疲れさま! うちの子と同じ学校に行けるといいわね」
最後の最後までバカにされましたが、受験の結果Aさんの息子は合格していました。しかも、先輩ママの子どもは第一志望の学校には落ちてしまい、息子とは別の学校に行くことになったとのこと。
Aさんは息子の頑張りを誇らしく思うと同時に、心の中でガッツポーズをしたそうです。
ltnライター:安藤こげ茶