数人いる同期の中に、いつもわかりやすくブランド品を身につけている男の子がいました。
私がブランド物に興味がないのもありますが、仕事のミスは人のせいにしたり、身につける物でマウントを取ってくる同期が、あまり好きではありませんでした。
そんなある日、同期は金の高級腕時計をつけて出勤してきて……? 私が体験したモヤっとする同期のエピソードです。
「大人は一級品を身につけないと」精神の同期
その同期との出会いは、第2新卒枠で今の会社に入社した時でした。部署や役職、年も同じだったので、何かと話す機会が多くありました。
ほかの同期は30歳を超えている方が多く、同い年の私は彼にとっても話しかけやすかったのでしょう。
それから一緒に働くようになり、申し訳ないですが、彼は仕事ができる方ではないことがわかりました。
メモを取らないため、頼まれたことをすっかり忘れて納期が過ぎていたり、プライドが高いせいか、分からないことを上司に聞けずに仕事ができずにいたり……何かと失敗を繰り返していました。
「大人は一級品を身につけないと」が口癖で、給料が入った直後は必ずブランド品を身につけて出勤してきていました。
同僚が金の高級腕時計をつけてきて……
ある日、同期は全身黒に金色の大きな時計をつけて出勤。
「すごい時計だね」と思わず声をかけると、「これくらい買えるでしょ」となんとも鼻につく答えが返ってきました。
ブランド品が悪いとは思いませんが、同期の給料は私と同じ年収400万ほどのはず。どこにそんな余裕があるのか、わかりませんでした。
彼のプライドの高さとマウントは、だんだんエスカレート。
仕事のミスは人のせいにするし、私の服装を見て「もっとマシな物身につけたら?」と嫌味を言うようになりました。
偽物は一級品?
しかし、日に日にそのロレックスは傷や剥がれが目立つように。
もしや……? とは思っていましたが、彼の時計は偽物だったのです。
金色の塗装? が剥がれ、ところどころ銀色になってしまっている時計。時計自体が大きいので、剥がれや傷も目立ちます。
私は祖父の肩身の高級時計を持っていますが、50年ものなのに傷ひとつありません。そこまで高価な物ではありませんが、当時50万円ほどしたと祖父が話していました。
同期が持っている高級時計は、その何十倍もの値段です。そう簡単に傷がついたり、メッキが剥がれることもないでしょう。
自慢していた彼を思い出すと、なんだかおもしろいやら情けないやら……。
「それ偽物じゃない?」と言いたい気持ちもありましたが、結局私の口から出たのは「いい加減仕事のメモくらい取ってくれない?」でした。
ltnライター:うしさん