知人女性の娘が通うバレエ教室では、発表会のオーディションが行われようとしていました。
演目は「白雪姫」で、娘は主役の白雪姫を狙っていたのです。
しかしオーディション前日、知人女性の元に意外な来訪者がやって来ました。
今回は、困ったママ友エピソードを紹介しますね!

夢はバレリーナ

知人女性の娘は現在6歳ですが、通っているバレエ教室でもメキメキと頭角を露わにしていました。
元から柔軟な体を持ち、その上、弛まぬ努力を続けた娘は先生達からも期待される存在になっていたのです。

「私は将来、絶対にバレリーナになる! その為にも、今度の発表会でも絶対に主役の白雪姫になってみせる!」
そう言ってレッスンに打ち込む娘を見て、知人女性も心からエールを送っていました。

夜の来訪者

オーディション前日の夜、知人女性宅のインターフォンが急に鳴ります。
夕食を食べていた知人女性は席から立ち「なんだろう?」と思い玄関に向かうと、そこには同じ教室に娘を通わせるママ友が立っていました。

ちなみにこのママ友はセレブなことで有名で、他のママからも一目置かれる存在です。
意外な来訪者に戸惑う知人女性でしたが、ママ友は鞄から何か取り出したかと思うと、信じられない提案をし始めました。

「お願いだから、明日のオーディションを受けないで頂戴! だって、あなたの娘さんが主役に選ばれるのが目に見えているもの。たまには娘にも、主役になって欲しいのよ! だからお願い! これをあげるから!」

そう言ってママ友が差し出して来たのは、何と金一封の入った包みだったのです。

出禁になったママ友

突然の無茶ぶりにドン引きしつつも、もちろん知人女性はこの提案を断ります。
しかしママ友は腑に落ちない表情で「これは置いていきますから!」と言って、包みを無理やり渡して帰っていったので、知人女性はすぐにこの件をバレエ教室に報告しました。

この件はバレエ教室でも問題視され、翌日、教室にママ友とママ友の夫が呼び出されます。
幸いなことにママ友の夫は常識人だったので、教室にも深く謝罪し「これからは、娘の送迎は私が行います。妻は一切、教室には近づけません」とのことで話し合いがまとまりました。

知人女性もママ友の夫に金一封を返せましたし、後日、お詫びの品を受け取ったので、まぁヨシとしましょう。

娘が可愛いのは分かりますが、だからといって不正はいけません。
バレエの舞台で輝く為には、心も美しくある必要があるのですから。

ltnライター:六条京子