今回はパソコンの中に保存されたとんでもない秘密を発見してしまった私の知人、Eさんのお話です。
義姉に取り上げられたパソコン
Eさんは在宅ワークをしていて、当時は自分専用のパソコンとして、デスクトップのパソコンが1台とノートパソコンを1台所有していました。
「久しぶり! ちょっとおじゃまするわよ、Eさん」
「はあ、どうぞ…… 」
ある日Eさんと旦那さんが暮らしているマンションに、旦那さんのお姉さん、つまりEさんにとっては義姉が遊びに来ました。
この義姉はいつも旦那さんがいないときに突然やってきては部屋を物色し、買い置きしている食品や頂き物の缶詰、Eさんの服やバッグをねだるので、正直あまり嬉しくない訪問です。
「ねえ、なんでこの家はこんなにパソコンあるの? 3台も必要?」
義姉は何かめぼしいものはないかと家じゅうを歩き回り、Eさんの仕事部屋をきょろきょろと見渡して言いました。
Eさんの自宅にはEさん専用の2台のパソコンの他に旦那さん専用のノートパソコンがあるので、1つの家に合計3台のパソコンがあることになります。
「あ、私が仕事に使うので……」
「えー、でもこんなに必要? このノートパソコン、私にちょうだいよ!」
突然の申し出に驚いたEさん。義姉が指さしたノートパソコンは薄型で持ち運びに便利なので、外出先で作業をするときに重宝していたものでした。
「すみません、仕事に使うのでこれはちょっと」
「えー、いいじゃん、ケチ! 沢山あるんだからいいじゃない!」
義姉は一度言い出したら聞かない性格で、言うことを聞かないと後々までネチネチ言ってくることはEさんにもわかっていました。
「ねえ、ちょうだいよ! くれないと帰らないからね!」
あまりに義姉が粘るので、Eさんは渋々パソコンの中のデータをデスクトップに移し、義姉にノートパソコンを渡したのでした。
子守りを押し付けられて
Eさんはその後新しいノートパソコンを購入するはめになり、義姉には用もないのに家に来ないよう旦那さんからきつく言って貰いました。
しかし弟である旦那さんに叱られたのが腹立たしいのか、義姉はますますEさんに絡んでくるようになりました。
「ねえ、ちょっと子守りお願いしていい? どうせ在宅ワークなんだから、どこでも仕事できるんでしょ!」
「はあ……わかりました」
家に来るなと言われた義姉は、今度はEさんを呼びつけて子どもの面倒を見させ、自分は買い物だランチだと遊びに出かけているようでした。
「じゃあお昼寝しようねー」
義姉の子どもを昼寝させるために子ども部屋で寝かしつけをしていると、子どものおもちゃを入れる箱の中に隠すようにして、Eさんが義姉にあげたパソコンがしまわれているのに気づきました。
「あれ? なんでこんなとこに」
パソコンを箱から取り出し、その場で電源を入れてみるEさん。幸いパスワードはパソコンを渡したときにEさんが義姉用に設定したもののままだったので、難なくパソコンの中身を見ることができました。
驚きの内容とは
「ちょっとだけならいいよね……」
ちょっとした好奇心から、義姉のパソコンの中にどんなデータがあるのか覗き見たEさん。
そもそも機械にあまり強くなく、スマホもあまり使いこなせていない義姉がどうしてパソコンを欲しがったのか知りたいという気持ちもありました。
「うわ、なにこれ!」
パソコンの中に保存されている写真を見て、Eさんは思わず声を上げました。
なんとそこには義姉が旦那さんではない男性と腕を組んで笑っている写真や、観光地で肩を寄せ合っている写真が何十枚も保存されていたのです。
「お義姉さん、不倫してるんだ……」
思いがけない義姉の秘密を覗き見てしまったEさんは、どうすべきかしばらく悩んだあと、わざとそのパソコンをリビングのテーブルの上に放置しておきました。
「ただいまー、Eさんもう帰っていいわよ……って、このパソコン!」
帰宅した義姉はEさんにお礼ひとつ言わずにEさんを帰らせようとしましたが、リビングのテーブルに置いてあるパソコンを見て絶句。
「はーい、じゃあまた」
その場で固まっている義姉の横をすり抜け、Eさんは素知らぬ顔で義姉の家を出ました。
パソコンをわざと目につくところへ置いておけば、義姉はEさんが内容を見たことに気付くはず。そう思ってリビングに置いておいたのです。
つまり、義姉の秘密を知っているぞというアピールです。Eさんのアピールが効いたのか、それから義姉がEさんに絡んでくることはなくなりました。
無理に人のものを欲しがったことが、裏目に出てしまったようですね。
ltnライター:緑子