常識だと言われていても、意外と知らない服装のマナー。無知だったがゆえに、赤っ恥をかいてしまった経験はありませんか? 今回は、筆者の友人Aさんの失敗談をご紹介します。

夫と初めての温泉旅行

まだAさんが新婚だった頃に、夫婦で温泉旅行へ行った時の話です。

実は、温泉旅行に行くのは中学生以来だったAさん。この旅館では、好きな浴衣が選び放題だったそうで、テンション爆上げでした。

「かわいいでしょ〜」と自分でチョイスした浴衣を着て、夫と二人で館内を散歩することにしたのですが……Aさんは大事なことを見落としていたのです。

逆? 何が?

「浴衣の着方が逆ですよ」

突然、Aさんに女性スタッフが近寄ってきて、こう声を掛けてきました。

何のことだか分からないAさんは、浴衣の表裏が逆だと勘違い。浴衣をヒラっとめくって確認するAさんに、夫は横で笑いを堪えています。

「そうではなくて……右前が正しい着方になります」

ここでやっと浴衣が左前になっていると気づいたAさん。しかし、これが間違いだとは、指摘されるまで知らなかったのです。

気付いていたなら教えてよ!

急に恥ずかしくなったAさんは、すぐ部屋に戻り、浴衣を脱ぎ捨てました。

自分の無知が原因で、恥をかいたのは百も承知だったAさん。ただ、夫に笑われたことは気に障りました。

「ねぇ、浴衣が逆だって気付かなかった?」

Aさんは夫に尋ねました。すると、夫はこう言ったのです。

「まじでギャグかと思った。左前なんて死装束だよ。日本人なら知っていて当然じゃない?」

Aさんは「気付いていたなら早く教えてよ!」と心の中で叫ぶのと同時に、自分の世間知らずを痛感したのでした。

恥はかいたけど、ありがたかった

「とても恥ずかしかったけど、スタッフに注意してもらえたのは、ありがたいことだった」というAさん。

誰かに教えてもらうか、自分で学ばない限り、永遠に分からないままだったかと思うとゾッとしますね。それにしても、間違いに気付いていたにもかからず、横で笑っていた夫には八つ当たりかもしれませんが、怒りを感じちゃいますね。

間違いを他人に指摘するのは気を使うもの。しかし、親しい間柄であれば、相手のためにそっと教えてあげるのが正しいと思う筆者なのでした。

ltnライター:はぴまる