これは私の友人とその同僚の話です。「お弁当派のB子には1食1,500円のランチは無理ね」と言ってランチに誘わず、影でB子の悪口を垂れ流していたA子。しかしB子の正体は、A子の想像を遥かに超える存在だったのです。

同僚とのランチ

友人は、会社の仲が良い同僚4人でランチに行くことになりました。店選びは実家がプチセレブなことを自慢してくるちょっと面倒なところがあるA子がすることに。予想通り少しお高めのお店を選んでいました。

A子は「今日はB子なしの3人で予約したから」といいました。「え? なんで?」と聞くと、

「だってB子はお弁当派じゃん」
「自炊する人に、1食1,500円のランチは無理」

結局B子は誘われず、3人でランチに行きました。A子がB子をランチに誘わなかったのは他にも理由があったようで……。

B子は貧乏

「B子って貧乏くさいよね。1人で弁当食べて何が楽しいんだろう」
「だいたい昨日の残りとか、なんで次の日の昼に食べなきゃいけないの?」
など、言いたい放題です。

他の同僚たちもA子の偏見に満ちた悪口を、嫌な顔をして聞いていました。しかし友人は、ある事実を知っていたのです。

B子がお弁当の理由

実はB子は、資産家の息子で超高収入のビジネスマンとの結婚を控えていたのです。両親の知り合いの勧めで行われた、急なお見合いだったそうです。初めは乗り気じゃなかったけど、少しずつ恋に発展していったそうです。

B子は、未来の旦那様のために料理を学ぶことを決意。けなげな努力をするために毎日お弁当を作っていたのでした。

「彼は仕事を続けてもいいと言ってくれたんだけど、彼のためにできることをしたくて」

B子は結婚したら専業主婦になって、夫を支えるという幸せな未来を思い描いていたのでした。

しばらくしてB子は結婚のために退職。すべてを知ったA子の怒りは凄まじいものでした。

「なによあの余裕! 何も言わないなんて卑怯!」
「なにが専業主婦よ! そんなのすぐにダメになるんだから」と嫉妬が収まらない様子。

B子が手に入れた専業主婦の立場は、A子が夢見た憧れそのもの。
A子は、超セレブになるB子を貧乏と言ってしまった恥ずかしさと先を越された悔しさで、やり場のない怒りに翻弄されるばかりだったのでした。

ltnライター:鈴木まさ美