大酒飲みの夫
友人A子の夫は若い頃からお酒が大好き。
とはいえ、結婚当初は夕食のときに缶ビールを1本飲むくらいで、節度を守った飲酒でした。
しかし年々お酒の量が増え、今では帰宅した瞬間に冷蔵庫の扉を開け、缶ビールのフタをプシュッと開けるとまず一気飲み。
夕食を食べながらさらに何本か缶ビールを空け、時には日本酒もチビチビ。寝る前にはウイスキーを寝酒に……という感じで、とにかくずっと飲んでいる始末。
妻子が止めても聞く耳持たず
さすがにA子も心配になり、「ちょっとは控えたら? 昔はそんなに飲んでなかったじゃない」と声をかけるも、夫は「昔とは仕事の重圧が違うんだよ」と言い返すだけ。
小学生の娘に「パパお酒くさいよ~!」と言われても「大人はみんなこういうもんなんだよ」と聞く耳持たず。
キッチンのシンクに置かれた空き瓶や空き缶を見るたびに、A子は気が重くなりました。
ある日、突然「酒はやめる」と言い出し?!
そんな夫が、ある日突然「もう酒はやめる」と言い出したのでA子はビックリ!
「一体どうしたの?!」と理由を聞くと「子どもとお前のために健康でいないとな」と夫は笑顔。
やっと私の気持ちを分かってくれたんだ……とA子はホッと胸を撫で下ろしました。
そして宣言どおり、夫はその日からお酒を一切飲まなくなったそうです。
夫が断酒した本当の理由とは……
お酒を飲まなくなったせいか、夫は会社からよく夜勤を任されるようになりました。
以前は「生活リズムが狂うから」と嫌がっていた夜勤ですが、夫は意外にも喜んで出掛けていきます。
そんな夫の姿に、A子は違和感を覚えました。
ある日、A子は夫の車に娘のキッズスマホをこっそり忍ばせました。
そして、GPS機能でこっそり現在地を探ると……なんと、夫は会社とは反対方向に!
そう、夫は夜勤と偽って不倫していたのです。
お酒をやめたのもA子と娘のためなどではなく、不倫相手のところに運転して行きたいから。そのことを悟ったとき、A子は自分の中で何かが崩れていくのを感じました。
本気で夫の身体を心配していたA子と娘にとって、これほどの裏切りはありません。
その後、A子は念のため探偵を雇って本格的に夫を調べましたが、やはり夫が不倫しているのは間違いのない事実でした。
その後、夫婦は
「私たちがどれだけ言ってもお酒を控えてもくれなかったのに、不倫相手のためなら簡単に断酒できちゃうんだね」という捨てゼリフとともにA子は娘とともに家を出て、今は離婚のための手続きの最中なんだとか。
お酒は時に人生を狂わせるものにもなりえますが、こんな形で夫婦を壊すことにも繋がるなんて、恐ろしいですね……。
ltnライター:藍沢ゆきの