料理上手はモテ要素?
友人のM美は自他ともに認めるあざと可愛い系女子。とにかく男ウケすることへの研究には余念がありません。M美が信じて疑わないのは「料理上手はモテる」ということ。「胃袋をつかむ」という信念のもとにアピールを欠かしませんでした。
しかし実際のM美は、料理はできないため全く自炊もせず、食事は外食やデリバリーばかり。M美のあざとさは買ってきたものや他の誰かが作ったものを、まるで自分が作ったように『偽装』してしまうことでした。
ピクニックに欠かせないお弁当
ある日、M美が参加した合コンメンバーが仲良くなり、休日にピクニックへ行くことになりました。女性チームがお弁当を作ることが決まり、私を含む他の女性陣は何を作るか頭を悩ませていました。そんなときM美は急に「お弁当のおかずは私に任せて! みんなはおにぎりでも作ってきてよ。」と言い出したのです。
M美の性格を知っている私たちは、半分呆れたものの、M美の申し出を受けてみました。何をどうするつもりなのか薄々感じてはいましたが、いつものことだからと割り切っていたのです。
見破られた偽装
ピクニック当日、M美は豪華なお重のような入れ物に、多くのおかずを詰めて持ってきました。華やかな盛り付けに騒ぐ男性陣。「昨日から下ごしらえをした」「朝早くに起きて作った」と自慢げに話していたM美でしたが、男性陣のY太の一言でその場が凍り付きます。
「これってデパ地下で売ってる惣菜じゃない?」
実はY太は食品会社のマーケティング担当者。自身でもデパ地下の総菜を仕事関係で購入することが多いとのことでした。さすがはプロ……一瞬でM美の偽装を見抜いてしまったのです。M美は反論しようとしましたが、Y太の目は確かです。自慢げだったM美も一瞬にして窮地に立たされてしまいました。
料理上手じゃなくても……
バツの悪いM美は、体調が悪いからとピクニックから帰ってしまいました。残されたお弁当を食べながらみんなで話していると、「別に多少失敗作ぐらいでもいいのに」「見栄えが良いことだけが大事じゃないはず」と男性陣の本音が聞こえてきました。
特にY太はM美を陥れようとしたわけではなく、デパ地下のものだとわかっているのになぜ自分で作ったように見せかけるのかが単純にわからなかったそうです。
M美はもともとプライドが高く、見栄っ張りなところがあります。でもだからといって自分を良く見せようとし過ぎるのも、かえって悪い結果を招くことがあると学んだのではないでしょうか。
ltnライター:RIE.K