気合いの入った入学式
私が住んでいる地域では、子どもの数が少ないこともあり、入学式には両親だけではなく祖父母や兄弟姉妹など、多くの保護者や親せきが集まります。
祖父母が同じ地域に住んでいたり、同居をしている家が多いため、入学式や運動会などは保護者席がとてもにぎやかなのが特徴です。
ママ友のKは幼稚園時代から気合いの入った人で、イベント時にはあっと驚くほどのパワーを見せつけていたのですが、入学式の会場に入ったとき、Kの姿を見た私たちは思わず息をのみました。
あの人、保護者だよね?
保護者席の最前列に座っていたKは、黒い生地に金色の鶴が大きく羽を広げたとても派手な着物を着ていました。入学式に着物を着ている保護者は他にもいましたが、Kの着物の柄はあまりにも派手でした。
襟を大きく抜いて髪を夜会巻きにした出で立ちに、周りの保護者はKに釘付けです。本人は別の意味で注目されていることを勘違いし、とても自慢げな態度をとっていました。
周囲のおじいちゃん、おばあちゃんたちもビックリした様子で、「あの人は保護者だよね?」と確認し合っていました。
間違った気合いが招いた思いがけないトラブル
Kの入学式の様子は瞬く間に広まり、特にKとは別の幼稚園や保育園から来たママ友たちには明らかに敬遠されてしまいました。
Kは幼稚園時代からイベント時には着飾って参加することが多かったのですが、少々マウントをとる癖があり、同じ幼稚園の保護者からも距離を取られていたので、Kのことをかばうママ友は皆無……。
その後「自分の家に遊びに来てくれない」とKの子どもが落ち込んでいたとき、近所のおばあちゃんが「あんたのお母さんが怖いからじゃないの?」と言ってしまったそうです。
そのことを聞いたKは学校へ怒鳴り込んだそうですが、学校側が特に対応しなかったことは言うまでもありません。
噂には尾ひれが……
教育熱心で出たがりのKは、クラス役員やPTAの役員にも立候補し、学校内を我が物顔で闊歩しています。
しかしKは陰で嫌味を込めて『姐さん』と呼ばれていることは知らないでしょう。
Kが立候補した時点で誰もPTAに立候補してくれなくなること、もしかしたら悪い人とのつながりがあるかもしれないと噂に尾ひれがついていることなどは知らない方が良いかもしれませんね。
ファッションの失敗は誰にでもありますが、今回は日頃の行いと相まって、周りから総スカンを食らってしまいました。本人が気がついて、改心することを願います。
ltnライター:RIE.K