失って初めて、大切な人の存在に気づいた経験はありませんか? 筆者も、家族や恋人との別れで実感したことがあります。今回は、妻が病気で倒れたことをきっかけに自身の問題を自覚し、生き方を変えた筆者の知人男性のエピソードを紹介します。
妻の依存症状に悩む夫
筆者の友人K太は、妻のお金遣いの荒さに頭を悩ませていました。
K太の給料日には銀行で給料全額をおろし、そのままデパートに直行して高級バックを購入したり、推しのアイドルのグッズを大人買いしたりします。
まさに、買い物依存とアイドル依存のような状態になっていました。
子ども放置で動画に夢中の妻→夫、ついに我慢の限界
ある日K太が会社から帰宅すると、3歳の息子が高熱で苦しそうに布団に横たわっていました。
息子の隣では、スマホで推しのアイドルのYouTube動画を食い入るように見ている妻。
妻に「いつから熱が出てるの?」「病院には連れて行ったの?」と症状を聞いても上の空です。
子どもをろくに看病もしない上に、病院に連れていく様子もありません。
妻の態度に、ついにK太はブチギレ。
スマホを取り上げ、妻の目の前で金槌を振り上げ、スマホを叩き割ったのです。
妻が倒れて初めて気づいた、妻の本音
それから1週間後。
K太の勤務先に、妻がパート先で倒れて搬送されたと連絡が来ました。
妻は緊急手術を行いましたが、数日間意識が戻りませんでした。
ついにK太が妻との最後を覚悟した日、自宅の寝室で妻の日記を発見。
そこにはK太が仕事一筋で相手にしてくれなくなったこと。
寂しさを埋めるためにアイドルにハマり、今はアイドルだけが自分の癒しになっていること。
子どもが独立したら、二人で行きたい旅行先などが書かれていました。
このとき初めて、K太は自分が原因で妻が依存症になったと気づいたのです。
人生で一番大切な時間とは?
その後、妻は意識を取り戻し、無事に退院。
しかしこれから長いリハビリ生活に入ります。
K太は妻を支えるために転職し、今は互いの両親たちにも支援してもらいながら、家族の時間を大切に生きるようになりました。
筆者もK太の経験から、かけがえのない人と過ごす時間は、何よりも大切なものだと学びました。
ltnライター:広田あや子