主婦上がりの人
私は子育てが落ち着いたら子供の頃からの夢だった、パティシエを目指したいと思っていました。ケーキ屋さんのアルバイト募集があったので即応募して面接へ行ったのですが、そのお店のオーナーシェフが、かなり嫌なタイプの人だったのです。
面接前にも伝えたのですが「憧れのパティシエの仕事がしたくて応募しました」と言うと、オーナーは、こう言いました。
「主婦上がりの人にパティシエは無理」
「プロの仕事をナメちゃいかん」
イヤミのオンパレード
そのほかにも、「普通は10代から製菓学校に行くから」「テレビか何かで見たんでしょ。楽な仕事じゃないのに、変なイメージ持って来られても」など、嫌味のオンパレード。
悔しくて下を向いて黙っていることしかできませんでした。こんなこと言われるぐらいなら電話した時点で落としてほしかったです。涙を浮かべながら家路につきました。
かなり傷ついたのですが、この程度であきらめたくなかったので再度就活開始。第2希望のお店の面接へ向かうことに。怖かったのですが、私は前と同じことを思い切って伝えました。すると、
達成感MAX!
「いやぁうれしいな」
「きつくて厳しい仕事なのに憧れって言われるとすごくうれしいよ」
と言ってくれたのです。
「どんな仕事でもしますので、よろしくお願いいたします」と伝えると、次の日採用の電話がかかってきました。
私は素敵なオーナーのために自分のできる限りの努力をしました。
元販売員の腕を生かし、POPから販促など、どんどん提案して売り上げに貢献。
地道に努力を重ねた甲斐もあり、私のアイデアが生かされたケーキが店の一番人気になっていました。
実はイヤミなオーナーのお店はすぐ近く。
最近イヤミなオーナーが、うちの店に偵察に来たのです。
私は、とびっきりの営業スマイルで「私が企画した当店ナンバーワンのケーキです」と言ってやりました。
チッと舌打ちをして出ていきましたが、これほどスカッと仕返しできると思っていなかったので、達成感を感じました。頑張ってよかったなと思いました。
ltnライター:鈴木まさ美