ゴミの出し方にルーズな住民
A子は独身時代、一人暮らし用の集合住宅に住んでいました。
そこの住民は、ゴミを回収日以外に出したり分別も適当だったりと、かなりルーズな人たちでした。
なのでカラスに目をつけられていて、いつもゴミが散乱していました。
親切なおばあさんが掃除をしてくれ……
ゴミ置き場周辺は、日常的に不衛生な状態でした。
それを掃除していたのは、マンションの向かいに住む70代のおばあさんです。
彼女は手袋をはめ、ほうきとちりとりを片手に、道路に散らばったゴミを綺麗に掃除します。
ときには、回収されず残されたゴミを仕分けまでしてくれました。
A子も、仕事が休みの日は、おばあさんとゴミの処理をしたこともあったそうです。
おばあさんの目的は個人情報を覗き見ること
ある日、A子が仕事前に集積所に行くと、おばあさんが何かを熱心に見ていました。
彼女の手元をよく見ると、通帳が握られています。
そして、おばあさんの近くには綺麗なビニール袋があり、その中には手紙や郵便物などが何枚も入れられていました。
おばあさんはA子の気配に気づき、はっと我に返った瞬間。
持っていた通帳をさっと袋に入れ、A子からは見えないように体の向きを変えました。
そしてA子に「おはよう。今日も暑いね〜」と何事もなかったかのように、笑顔で挨拶をしてきました。
A子は「何してたんですか? その袋は何が入っているんですか?」と聞きたくてたまらなかったのですが、何を言われるか分からない怖さもあり、結局何も見なかったふりをしたそうです。
腹黒い人とは適度な距離感を!
おばあさんの本当の目的は、マンションの住民の個人情報を覗き見ることでした。
A子はその後すぐに結婚しマンションから引っ越したのですが、離れるまでの数週間は、おばあさんに会うのも怖くて嫌だったそうです。
人は見かけによらず、どんな人でも意外な一面を持っているかもしれません。
腹黒い人と出会ったときは、自分の弱みを見せないように適度な距離感を持って接するようにしましょう。
ltnライター:広田あや子