なくなったぬいぐるみ
ママ友のマユミとは気が合い、よい関係を築いていました。マユミの娘、ミユ(仮名)ちゃんはうちの娘と仲良しで、よく私の家に遊びに来ていました。ある日大切にしていた娘のぬいぐるみがなくなったのです。娘は「ミユちゃんが持って行った!」と泣いています。
しかし、証拠もないのにミユちゃんを疑うのは良くないと娘に言い聞かせて、一緒に探しました。しかし、どこを探してもぬいぐるみは出てきません。娘の言うことは正しいのだと思うけど、なんだかモヤモヤしていました。
どうしたらいいものかと悩んでいるとき、別のママ友の娘、エリ(仮名)ちゃんのお誕生日会に招待されました。私は娘と一緒にお誕生日プレゼントを持って、エリちゃんの家に行くと、マユミとミユちゃんがいました。
お誕生日プレゼントの中身は……
誕生日会は楽しく過ぎて、エリちゃんがみんなが持ち寄ったプレゼントを開封するときが来ました。
「ミユちゃんにもらったプレゼントを開けまーす」
「可愛いぬいぐるみでした♡」
どこかで見たことがあるような……! なんとうちの娘のものだったのです。
娘は「それ私の!」「返してぇぇ!!」
と言って泣き出してしまいました。
エリちゃんも泣き出してちょっとしたカオス状態に。
私が「これ、うちの子がなくしたぬいぐるみとそっくりなんだけど」
とマユミに詰め寄ると、
マユミは「偶然じゃない? これは私が買ったの! 私が盗んだとでも言いたいの? 失礼ね!」
とブチ切れ。
私はエリちゃんの誕生日会を台無しにしたくないので、このまま終わりにした方がいいかなと思った瞬間。泣いていたエリちゃんが、何かに気づいたようです。
「これ見てー、お名前書いてあるよ」
ひとつぐらいいいじゃん!
見てみると、ぬいぐるみのタグにうちの娘が名前を書いていたのでした。
さすがに逃げ場を失ったマユミは
「なによ! たくさんおもちゃ持っているんだから、ひとつぐらいくれたっていいじゃん!」と言って、ミユちゃんと一緒に去っていきました。
なんとか気を取り直して、エリちゃんのお誕生日会は楽しく終えることができたのですが、他のママ友もマユミの行動を見て、ドン引きしていました。
その後マユミは表面上みんなと仲良くしていますが、他の家に招かれることは一切なくなりました。
ltnライター:鈴木まさ美