モラハラの被害者は、自分がモラハラをされていると気づかないケースもあるようです。今回は夫のモラハラに無自覚だった妻のエピソードをご紹介。世話焼きの知人がモラハラ被害者の目を覚まさせました。

友人からの深夜のSOS

筆者の知人のR美は、頼りがいのある姉御肌。何かと相談ごとを持ちかけられる世話焼きタイプです。
そんな彼女のもとに、友人のA子から「今から子どもを連れて行っていい?」とメールが届きました。

時間は深夜。A子の子どもはまだ生後6か月と幼く、これはA子からのSOSだと判断して受け入れました。

子どもの夜泣きを夫に叱られて……

A子に何があったのか尋ねると、夫のB男から「子どもの夜泣きがうるさい! 睡眠不足で仕事に支障が出たらどうするんだ! 俺に養われているくせに!」と叱られたと言うのです。

B男は文句を言うだけで何もしてくれず、途方に暮れたA子。
どうすればいいかわからず、夫が静かに過ごせるようにと最低限の荷物だけ持って子どもを連れて家を出ました。
B男は妻と幼い子が出ていくのを何も言わず見送ったそうです。

「それはDVだよ」

一通り話を聞いたR美は、「それはDVだよ」とA子に指摘しました。
ところがA子は「私は専業主婦だし。それに夫は仕事で忙しいし……」と、B男をかばいます。

R美は「お金を稼いでいれば何をしてもいいの? 子育ては夫婦でするものでしょ。妻や子を深夜に追い出すなんてまともじゃない。何かあったらどうするの?」と反論。
A子にDV被害者であることを繰り返し伝えました。

目を覚ましたA子の逆襲!

R美の言葉でようやく現実を受け止めたA子は「実家に帰りたい」と泣き出しました。
A子には自由に使えるお金がなく、自力で遠方の実家に帰ることができません。
R美はA子に交通費を渡して実家に送り出すことにしました。

A子の両親は娘の話を聞いて「うちの娘と孫になにしてくれとんじゃ!」と激怒!
A子もすっかり目が覚めて、離婚の意思を固めました。

B男は「自分は妻子を愛している!」と抵抗したけれど、A子の両親に睨まれて無事に離婚が成立。
B男は未練がましくすがってきましたが、A子は「これからは1人の静かな生活だよ。よかったね!」と笑顔で告げてとどめを刺し、新たな生活をスタートさせました。

ltnライター:愉子