美容室で働くママKさん
Kさんは美容室で働いていて、ヘアメイクや着物の着付けもできるので、娘の七五三はKさん自身でお支度をしていました。職場は自宅から電車で1時間離れたところにあるため、Kさんが美容師であることを知っている人はごくわずかで、幼稚園や小学校の保護者の中でも、限られた人だけがKさんの職業を知っていました。
休日に突然のお客さん。誰?
あるお休みの日、突然Kさんのお家のピンポンが鳴りました。モニターを見ると、ママらしき人が小学生の女の子と一緒に立っていました。出ると、「すみませーん! 同じ小学校に通っているZなんですけど~!」と名乗られたのですが、誰だか検討つかず。
とりあえず同じ小学校の保護者か、と思って玄関先に出ると、「あーよかったー! ◯◯さんからLINEいってるよね? 娘の着付けとヘアセットやってー! 間に合わないのー!」と突然七五三のお支度依頼をしてきたのです。
いや、そもそも、あなた誰? だし、◯◯さんは幼稚園の時からのママ友だけど、何も連絡来てないし、え、何??? しかもこの後、家族でお出かけをしようとしていたところだったので、突然の訪問にKさんは戸惑いました。
とはいえ、Kさんも仕事柄、突発的なお仕事が入ることが多々あったので、とりあえずやってあげないといけないと思い、自宅に入れてあげてZさんの娘さんの七五三のお支度をしてあげました。
着物は持ってきていたものの、ヘアセットの道具は持っていなかったので、Kさんの自宅にあるものを使うことにしました。
約1時間でお支度が完了しました。すると、「間に合ったー! ありがとー! 私たち、お昼からのお参りに行くので、じゃあここで!」と言われ、Zさんたちは家の前に停めていた車で出かけて行きました。
「どちら様ですか?」って、こっちのセリフです!!
後日、小学校の保護者会があったので◯◯さんに会って聞いたら、「Kさんのお仕事の話をしたら、『今度紹介して~』って言われただけで、何も頼まれてないよ!」と言うのです。
〇〇さんと話しているとZさんが通りかかったので、Kさんは話しかけに行きました。
すると、「え、どちら様ですか?」と、まさかの知らんぷりをしてきたのです!
この時点でもちょっと腹が立っていたのに、七五三の話をしたら「あ~あの着付け屋さん!」と。
その言い方でますます腹が立ってきたKさんは、
「あの、着付け屋さんとおっしゃるなら、お代をいただいてもいいですか? 私、普段から仕事でやっているので。」と言うと、「えー! 結構ケチなんですね!」と言ってきたのです。流石にKさんの堪忍袋の緒もプッツンと切れてしまいました。
「休みの日に勝手にやって来て、面識のない人の家に上がり込んで、色々やってもらったのに、感謝もできないような人なんですねー!!!」とわざと大きな声で話すと、周りのママたちもざわつき始めて、Zさんはその場を逃げるように去って行きました。
後日、担任を通して着付け代が支払われましたが、普段美容室でやっている1/10の値段しか渡されず、本当に頭にきた出来事だったとKさんは話していました。
ltnライター:南さおり