兄の習慣
わたしの兄は健康志向なため、3キロちょっとあるバイト先迄歩いて通勤していました。
本当はジョギングで通勤したかったそうなのですが、職場に到着する頃には汗だくになってしまうため、歩くだけにしていたのだとか(笑)
ほかにも、筋トレを毎日欠かさず行っていたりと、自分で決めた日課は必ずこなしていました。
兄は、何事にもストイックに取り組むのが好きなタイプで、3キロ以上あるバイト先へ歩いて向かう事も、2年以上続けていました。
めずらしく車通勤
いつもは、雨でも傘とカッパを活用して歩いてバイト先まで通勤していた兄。
ある日、バイト先から帰宅する時間帯に【警報級の大雨が降っている可能性がある】というニュースを見た兄は、身の危険を回避するため、しぶしぶ車で向かうことにしたのだそう。
普段バイト先まで車で行かない兄は、職場の近くの駐車場の情報が、あまり分からなかったといいます。
初めに兄が駐車しようと行ったところは満車だったそうで、ほかの駐車場を探すことに。
しかし! なかなか空車の駐車場が見つからず、バイト開始の時間がドンドンせまり……
焦った兄は駅近くにあった駐車場にようやく停めることができたのだそうです。
まさかの! 車が盗難に!?
日曜日の朝、ドンドンドン! とわたしの部屋のドアをけたたましくノックしてきた兄。
なんだろう? と思い、部屋のドアを開けると、兄の顔がいつになく不安気な表情をしていて……
「朝からどうしたん?」と聞くと兄はひとこと、「盗難されたかも!」と……
寝起きで状況がよくわからなかったわたしは、落ち着いてもう一度聞くと、どうやら車がなくて騒いでいるらしい。
「出かけようとして駐車場(マンションの)に行ったら、オレの車がないんだよ!」「鍵は手元にあるのに、どうやって盗んだんだろ!? 警察に電話しとかな!」と焦っている兄。
そこでわたしは思い出したのです! 数日前に兄が珍しく車で通勤していたことを……
「てかさ、大雨警報の日に車でバイト行ってたじゃん? あの日からないの?」
この言葉に兄はハッ! として、ようやく気付いたそうなのです。
あの日、兄が帰宅する時間には雨が降っていなかったらしく、いつもの癖で歩いて帰宅してしまっていたのだとか……
高額請求に青ざめた兄
バイト先の近くの駐車場に愛車を停めっぱなしにしていたことに気付いた兄は、あわてて車を取りに向かったのです。
駐車場に着いて、無事に愛車の姿を確認することができた兄は、とても安堵したといいます。
しかし、安堵したのも束の間! 精算機を操作すると、思いもよらぬ高額な請求額が表示されたということです。
それもそのハズ! その駐車場は駅近で立地がよいため、値段が他のところよりも高かったのだそう。
それに加えて、最大駐車料金設定が無かったことも、高額請求されてしまった原因でしょう……
「え!? いち、じゅう、ひゃく……一桁多くね?」精算機に表示された金額を見て何度も読み返したといいます(笑)
結局数万円というバイトにはキツイ金額を支払うことになった兄……せっかく頑張ったバイト代が水の泡ですよね(泣)
それからしばらくの間、節約生活を心がけていた兄なのでした(笑)
ltnライター:さらら