夫の肉じゃが
今日は休日。夫と子供たちが芋ほり体験をしに行っています。たくさんのジャガイモを抱えて帰ってきて、夫は「今日は俺が肉じゃがを作るぞー」と張り切っています。夫は料理がほぼ未経験です。
私が心配で夫をキッチンへ見に行くと、夫は全工程を1人でやりたいからと言って私をキッチンから追い出します。
「完成~」
なんとか出来上がった肉じゃがは、芋が溶けるほどに煮崩れて肉は真っ黒で焦げ焦げ。しかし、子供たちは自分が採ってきたじゃがいもが食べられると大喜び。楽しい食事が始まります。みんなで一口食べると、
しょっぱい!
ものすごくしょっぱいのです。
私も子供たちも吐き出し、食卓はテンション急降下。
夫は「なんだよ大げさだな。ちょっとぐらいおいしくなくても食べてよ」と言い、自分も口に入れるとすぐに吐き出しました。
どうやら砂糖と塩を間違えたようです。かなりしょっぱい肉じゃがを前に、夫がいきなり怒り出しました。
怒りの応酬が続く食卓
「わざとやっただろ!」
「だいたい塩と砂糖の入れ物がわかりにくいんだよ」
せっかくの楽しい食卓を台無しにした肉じゃが。夫はイライラを募らせてどんどん私に八つ当たりをして来たので、子供たちもうんざりしていました。
「だいたい味見すらせずに完成~とか、よくいえたよね!」
「あーあ、尻ぬぐいもできないくせに偉そうに!」
忘れかけていた優しい気持ち
子供の前で非難の応酬。私はしょっぱい肉じゃがをキッチンへもっていき、カレーにしたりポテトサラダにしたりして、塩気を薄める料理へとリカバリー。
「パパが悪いよ。ママに謝って」
「また作ればいいじゃん」
子供たちの言葉にハッとして夫を見ると、夫は肩を落としてがっかりしていました。
夫が謝ってきたので私も夫に謝り、子供たちが笑顔になってくれました。私だって一番初めに作った肉じゃがは成功したとはいえない代物でした。でも夫は優しい目をして食べてくれたなと思い出しました。優しい気持ちを思い出させてくれた子供たちに感謝です。
ltnライター:鈴木まさ美