赤の他人から見ると、ただのゴミ……。でも、当人にしてみれば、大切なものみたいなんです。
ですが、なんでももったいないからと言って取っておくと、やがては家の中は物であふれ、足の踏み場もない状態に……。
作者の知人の義実家は、まさにゴミ屋敷。捨てられない書類や着れなくなった洋服で大変な状態になっているといいます。姑に片付けるように進言しても、聞いてもらえないようで……。

義実家はゴミ屋敷

義実家は、現在、旦那と住んでいるアパートから少し離れたところにあります。
たまに用事があっていくのですが、すごく疲れます。

その理由は、足の踏み場がないからです。

廊下は物であふれ、歩きづらい。また、そんな状態だから掃除もろくにしておらず、白い靴下を履いていくと、足の裏が真っ黒になるほど汚いところです。

もったいないが口ぐせの姑

義父はすでに他界しており、姑ひとりで大きな屋敷に住んでいます。
姑の口癖が、

「いつか使うかもしれないから、取っておく」
「これも、あと、これも、旦那との思い出の品だから、捨てられない」

そんなことばかり言って、一向に捨てる、ということをしないので義実家は捨てる物だらけ、悲惨な状態です。

孫の一言で目がさめたらしい

全く片付ける意向を示さないので、大変困っていました。

ですが、そんなある日のことです。ゴミ収集場のゴミが燃やされるという事件が起きました。義実家の近所でのできごとです。犯人は捕まらず、何か所かでボヤ騒ぎがありました。

そんなとき、うちの息子がおばあちゃんにこんな一言を浴びせたのです。

「放火されたら、おばあちゃんちはよく燃えるね」

姑の顔色が悪くなりました

孫の一言に、姑は、うわぁ! そんなことになったら、大変だ! と思ったのか顔が青ざめていました。翌日から断捨離にいそしむようになったのです。

「この洋服全部、燃えるゴミにださないと!!」
「これは粗大ごみね! 嫁子さん、手伝ってちょうだい」
「あーいそがしい、いそがしい!!」

そんなこんなで、半年ぐらい経過したころ、私は義実家に顔を出しても、まったく疲れなくなりました。物は減り、姑は以前より掃除をするようになったからです。

ltnライター:サンマ雲