PTAの役員メンバーにベテランがいると、いろいろと教えてもらえて本当にありがたいですよね。しかし、ベテランがお局化して返って面倒なケースもあるようです……。
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くじ引きでPTAの広報役員に……

私のママ友Kさんは、くじ引きで中学校のPTAの広報役員に選ばれてしまいました。年2回発行される中学校の広報誌を作る仕事です。「広報なんて全くわからないからどうしよう……」とKさんから相談された私。私は4年前にPTAの本部書記の経験があり、広報役員とのやり取りも何度かしていました。

確かに、広報役員は写真を撮ったり原稿を作って印刷会社とやり取りしたりと、なかなか大変な仕事です。しかし、細かいマニュアルが受け継がれているので、その通りにやれば大丈夫なはず。「印刷会社も学校の広報誌をいくつも請け負っていて、うちの中学校との付き合いも長いから頼ればいいよ」とアドバイスしました。

ベテランがリーダーシップを取ってくれたけど

緊張しながら最初の集まりに参加したKさん。メンバーには子どもが4人兄弟で、幼稚園から9年連続広報担当をしたベテランさんがいました。しかも、ベテランさんは「中学校の広報は初だけど、どこの学校も広報誌の作り方は基本的に変わらないから任せて欲しい」とリーダーシップを取ってくれたのです。

「なんて頼りになるの! ベテランさんがいて良かった!」と、安心したKさん。他2名のメンバーもホッとした表情をしています。広報役員長はベテランさんになり、サクサクと作業は進んでいきます。しかし、Kさんは気になることがありました。「写真が多い方がいいよね」「文章こんなに長いのいらないでしょ」と、ベテランさんは自分好みを優先してしまうのです。「私働いてるから何回も集まるの難しいんだ」と言って、話し合いがまとまっていないのに「あとはLINEで」と強引にやり取りを終わらせることも気になりました。

初稿で修正の嵐! へそを曲げるベテラン役員

結局、広報誌はほぼベテランさんの好みで作り上げられた初稿。昨年度とはガラッと変わりました。「大丈夫かな……」というKさんの不安は的中してしまいます。初稿はPTA役員全員とPTA担当教師のチェックが入るのですが、ことごとく修正が入ったのです。

すると、ベテランさんは「ひどい!」とへそを曲げてしまいました。Kさんを含む広報役員メンバーに「前例主義なんて聞いてないよね」「昨年よりいいと思わない?」と愚痴ばかり。しかし、修正を無視するわけにもいかず、広報メンバーはベテランを宥めました。それが気に食わなかったのか、ベテランさんは「やってられない」と仕事を放棄。LINEグループから退出してしまいました。

ベテラン役員が抜けたら仕事がスムーズでビックリ!

最初は説得を試みましたが、LINEをブロックされてしまったのか既読になりません。仕方なく、残りの広報メンバーで仕事を進めることに。修正指示を丁寧に反映させ、PTA本部や先生に相談しながら第二稿を作りました。丁寧に1つずつ対応したからか、第二稿の修正はほんのわずかで、第三稿は誤字脱字のチェックのみで最終入稿になりました。

ベテランさんが抜けたときは「自分たちだけでできるかな……」と不安だったKさん。実際は、ベテランが抜けることで仕事が驚くほどスムーズに進み、先生や本部、他の役員たちにも感謝されました。「やればできるものだ」と嬉しく思うと同時に、「私たち、初心者でできないからってベテランさんに一方的に頼りすぎてたのかもしれない」と思うKさん。マイペースなベテランさんに不満を感じたこともありましたが、自分たちの行動を振り返って反省するのでした。

ftnコラムニスト:ききた